長い夏のバカンスも明けて、パリはすっかり涼しく秋もようです。私は、3年ぶりに日本の蒸し暑い夏を体験して、始めの数日の夜は全然眠れなかったです。パリに戻ってからは、もう寝るときは毛布被ってます。
今年は、バカンスを全部、日本滞在にあてたので、観光客のように毎日出かけて、いろんなところを訪れました。そこで面白かったところをいくつか紹介したいと思います。
まずは、“パリの公園を思い出したよっ”、パリにも何度か訪れている絵描きさんに教えてもらってから、ずっと行ってみたいと思っていたところ。クレマチスの丘にある、ヴァンジ彫刻庭園美術館。静岡県の長泉町というところにあります。
クレマチスの丘には、3つの美術館と文学館、それにレストランやカフェ、ショップも併設していて、一日中ゆっくり遊べる複合アート施設。その中の一つにあるのが、ヴァンジ彫刻庭園美術館。ここはジュリアーノ・ヴァンジの彫刻作品を常設コレクションしている美術館です。ジュリアーノ・ヴァンジは、1931年にイタリア、フィレンツェ近郊に生まれ、フィレンツェ国立美術学校で学んでいます。2002年には高松宮殿下記念世界文化賞の彫刻部門で受賞し、ヨーロッパを始めとして、日本や世界中で発表しているイタリアを代表する巨匠の一人。
彫刻家ヴァンジの作品を展示する、ということに特化した美術館というのもとってもめずらしい。それに、それぞれの作品の展示場所や照明なども、ヴァンジ自身の意図を反映したものとなっているというから、美術館全体でヴァンジの見ている世界を実際に体験しているよう。
そして、様々な見所のなかでも私が好きなのは、美術館の周りを囲んでいる庭園!!そこにもヴァンジの彫刻作品がいたるところに点在しているので、見つけるのが楽しいです。贅沢なまでに自然がいっぱい広がって、見渡す限り緑!おじいちゃんに連れられてきたちびっ子たちがはしゃいでたり、赤ちゃんを抱っこしてお散歩してるお母さんや、子ども5人の大家族まで、家族連れを多く見かけたから、居心地がいい美術館なんだろうなって思います。
一面に広がっている芝生は、確かに日本の公園ではなかなかなくて、パリっぽいかも。都会の喧騒から離れて空気もいいし、ベンチでゆったりお昼寝しちゃいたくなってしまう。
庭園の奥には、葉っぱに包まれたすんごく素敵なカフェが隠れてました!
美術館の中には常設だけではなく企画展のスペースも設けてあって、今はドイツを拠点としている彫刻家のイケムラレイコの『PIOON!ぴょーん』展でした。2006年にもここヴァンジ彫刻美術館で個展をしていて、2回目となる8年振りの本展は、題名からも感じるように、うさぎのかたちをした彫刻が多くいました。一番の見せ場は、巨大な観音様のうさぎさん。
展覧会の様子を見ることができる映像があったので、美術館の様子も分かると思うのでぜひ見てみてください。
[youtube=https://www.youtube.com/watch?v=UBqKbdj4Z4c]
ここは入り口。ここでチケットを買う、案内所。美術館の中の様子が想像できなくて、秘密の森のヴァンジの世界に足を踏み入れるのにどきどき。
入り口のすぐ近くには、杉本博司氏がディレクションした写真美術館もあります。
もう少し奥に行くと、日本料理のtessenがあったので、ちょっとカフェ休憩。1階では、川内倫子の 写真展、震災後すぐに訪れた石巻や気仙沼で撮った作品、「光と影」展が行われてました。
まだまだクレマチスの丘は、大きく二つに分かれていて、駅に近いほうの、ヴァンジと写真美術館。そして、もう少し離れたところには、また美術館と文学館、ショップがあるので、それはまた続きに書きます。
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