2015年9月14日月曜日

宙に舞うレースのような木組みが美しい!!建築家坂茂氏による大分県立美術館OPAM

すでにパリに戻ってきてパリコレに向けての仕事が始まってますが、すっかり肌寒くてコート着てます。
今回は、九州の旅のもう一つの目的でもあった、今年2015年春にまだでたばかりのほやほや美術館、2014年にプリツカー賞も受賞している世界的な建築家の坂茂 氏が手がけた大分県立美術館、OPAMにも行くことができました!
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大分駅から、商店街のアーケードを通って、徒歩15分くらいでたどり着きます。この日はめちゃくちゃ暑くてとろけそうだったのですが、アーケードでは冷たいお茶がふるまわれたり、氷がおいてあったり、商店街の人たちの心遣いが身にしみました。
真っ青な空にまっすぐすーっと浮かんでいる、木組みのレースのリボンテープが本当に美しかったです!
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アーケード街からそのままつながっている向かいの建物(オアシス21)からは、空中連絡通路で繋がっているので、こういうものすごく暑い日や雨の日は助かります。このエレベーターを使ったり、エレベーターに巻かれてる通路をぐるぐるして降りてきて一階の入り口から入ることもできますが、通路からそのまま美術館の二階へ。
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さっきの外の空中通路からの 中に入ってくるまでの 通路の延長が自然すぎて、 美術館に入るぞ!という心構えもし忘れるくらい。一階にはショップが広がってました。
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美術館によくある仰々しい入りずらさが 感じられなく、子どもからお年寄りまで、誰でも入りやすい開放感があるのは、ガラスの透明性と、木のぬくもりの優しさが、とても大きく関係してる気がしました。洗練されたかっこよさもあるのに、でもどこかとても温かい。東京とは全く違った、大分という街の雰囲気と人柄によるところもあるかもしれないけど、本当に“優しい”がぴったりくる美術館だと感じました。
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この日のようにすっごく暑いときは全部締め切って冷房がついてましたが、道路に面してるこのガラスの窓は、開閉自在なのだそうです。向かいの道路が歩行者天国になってお向かいのオアシス21と一緒にイベントもできるようになってて、いろんなことができそうな予感!窓が開いて外から自由に行き来できる暑くないときにまた来てみたい!
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ちょうど訪れたときに、進撃の巨人展が開催されていて、コスプレの人たちがいたり、展示室の入り口やショップには大行列になっていて、人気ぶりがうかがえました。作者の諌山創 さんが大分出身なんですね。
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ここはレストランです。中が全然見えないような壁で囲んでしまわないで、こうやってガラスにしてるとすごく空間が広く感じるし、入ってみたいなーと思わせる。
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レストラン内の紙菅を使ったテーブルや椅子、パーテーションも坂さんのデザイン。用途によって、店内の内装は自由に変えることもできるそうです。
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大分産の野菜やお肉が使われたメニューが豊富。大分名物とり天もありました!九州は何でも新鮮で美味しい!!
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一番上の3階は、大分の伝統工芸の別府竹細工をイメージした天井が圧巻です!ゆるやかに丸くなってて、竹籠の中に小人になって入ってる気分がしてきます。
真ん中は天井がくりぬかれてて、空を仰ぐことができる屋外展示室になってます。天気がいいときは本当に明るくて、ぽわっとそこだけスポットライトが当たってるみたいでした。
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上からみると、ショップがSの字になってる!!
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レース柄の正体は、二重に組み込まれた木と真っ白なアルミ。大分県産のスギの木が使われてるそうです。他にも、大分県日田市の天領石が一階の床に使われていたりと、県の特産が随所に盛り込まれてるのが大分ならではの美術館になってる!
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向かいのオアシス21から続く空中連絡通路。もうここから美術館への道が始まってる。
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これが、オアシス21。周りにはショップが入ってたり、一階の広場では物産展をしてたり。
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アーケードでも、進撃の巨人の展示があちこちで見かけられて、商店街みんなで展示を盛り上げてるのが楽しかったです!
とっても素敵な美術館で、大分の人たちはうらやましいなぁと思います。また九州に行く時は寄り道してでも立ち寄りたい美術館です!!
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2015年8月29日土曜日

しゅわしゅわ炭酸の温泉が気持ちいい!大自然の中に生える、シマシマでかわいい藤森照信建築のラムネ温泉館

九州旅行の後半戦は大分です。九州横断特急に乗って、熊本から大分までやってきました。大分といったら温泉!!熊本ではくまモンばっかりでしたが、大分駅に着くと今度はいたるところで温泉だらけ。それぞれの県で全然違った特徴ある印象で迎えてくれるのは、とっても楽しいです!
大分駅から1時間に1本しかない久大本線に乗り換え30分ゆられて小野屋駅まで行き、そこから車で山の中を30分ぐるぐるすると、世界でもめずらしい炭酸の温泉で有名な長湯温泉地があります。大正時代から続く老舗の温泉地の中で、ひときわ目立ったいたのが、シマシマのとってもかわいらしい素朴な外観の建物。
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ここは、2005年8月に開館し今年10周年を迎える、藤森照信氏が建築をてがけたラムネ温泉館です!
真っ黒なところは、焼き杉で、白いストライプは漆喰で描かれ、そして屋根の帽子からちょろんと伸びるのは、松の木。向こうに背景を彩る山と手前に広がるの草原に囲まれてるので、自然の緑の中からにょきにょき生えてきたみたいで、まだまだこれからも成長していきそう。
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ラムネ温泉のキャラクターデザインは、漫画家の南伸坊氏によるもの。気の抜けた感じが、温泉に癒されてる雰囲気が出てて見てるだけで和みます。
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大浴場には、内湯と露天風呂があり、 水温の違いや内装デザイン、風景などいろいろ楽しめます。炭酸泉って初めてだったけど、ゆっくり浸かってるとふつふつと湧いてくる炭酸の泡で体が覆われてきて不思議な体験でした!!
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地元の方たちもたくさん来ていて、夏休みだったこともあって、思っていたより賑わってました。大浴場の他に家族風呂もあり、予約して利用することもできます。
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大きな三角屋根の建物には、美術館も併設されてます。
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大正時代から続く温泉宿が立ち並んでる。
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ラムネ温泉館は誰でも利用することができますが、歩いて5分くらいのところにある老舗の大丸旅館の外湯なので、旅館に泊まってる人は無料で利用することができます!私たちも大丸旅館に泊まることにしました。
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泊まった部屋は、別館の藤花楼。ここは大正6年の創業当時の設計を復元しているそうで、趣ある素敵な内装。大正時代にタイムスリップした気分で本を読んでみたり。
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ラムネ温泉のオリジナルバック。これらを持って浴衣を来てぷらぷら歩いてラムネ温泉へ。
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やっぱり九州は、野菜もお肉もお魚も全部美味しい!!器も重厚で面白いものが多くて、地元の竹田焼呂人窯(ろにんがま)の作品が使われてました。
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車で来た方が便利ですが、電車の場合でも最寄り駅まで車で迎えに来てくれます。ラムネ温泉目当てに来るのももちろんいいけど、大正ロマンの宿に泊まってその時代の雰囲気を楽しむのもよし。ここもまた来たい!!
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2015年8月25日火曜日

誰にも邪魔されず何もしない贅沢を味わえる隠れ家宿、五足のくつ。自然に癒される大人の旅を満喫。

東京も名古屋もずっと猛暑が続いてましたが、お盆に入ってからずいぶん涼しく過ごしやすくなってきて、やっと落ち着いてきた感じがします。私は一足お先にお休みに入っていたので、ものすごい蒸し暑さの中、無理やり歩き回ってました。
今回の夏のバカンスの帰国テーマは、和菓子と自分のルーツを探る旅でした。 和菓子は、セントレア空港近くの松華堂から始まり、名古屋銘菓むらさきやの水羊羹で締めくくり。愛知、東京、熊本、大分、福岡、京都で10店以上のお店を巡りましたー。幸せ。
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今年の春になぜか、ふと、母方の祖父母の生まれ故郷の熊本に行きたいと思いたち、夏のお休みにいくことにしました。旅の準備をしていく中で、母がどうしても泊まりたい宿がある!、と、そこに泊まるために天草に寄り道したほどの素敵な宿、五足のくつ。どんなところかほとんどチェックしてないまま訪れてしまったので、まさかここまでとは!とその豪華さにひっくり返りました。
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この宿の名前、「五足のくつ」は、明治時代1907年に発表された、与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎、平野万里、吉井勇の5人が、天草の大江天主堂のフランス人宣教師ガルニエ神父(パアテルさん)を訪ねに行く旅を記した紀行文、『五足の靴』から由来しているそうです。宿の敷地の中には、「五足の靴文学遊歩道」も残ってます。
ものすごく急な細い坂道を車でどんどん登り、山の中の隠れ家にたどり着きました。木々に囲まれた小さな入り口を一歩入るとそこはまるで教会。異世界へワープしてしまうような感覚で、わくわくしてきました!!
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私たちの泊まった部屋は、”キリスト教が伝来した中世の天草”をテーマにしたデザイン。 アジアのリゾートのような雰囲気で、あまりの広さに驚きました!広いガラス窓からは緑いっぱいのテラスがすぐ広がってます。
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宿のすべての部屋は離れになっていて、それぞれに天然温泉の専用の露天風呂もあります!夜は真っ暗で少し怖かったですが、自然の音しか聞こえない空間で一人でゆっくり浸かれる贅沢なひととき。
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天草は、白磁に最適な石が採れる天草陶石で有名な陶磁器の島でもあります。その石を使った、丸尾焼きのシンクもかわいらしかったです。
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夕食と朝食は、レセプションの場所に戻って海を眺めながらいただきました。席についたときにはまだ明るかった風景も、食事の終盤になってくるにつれて、日が落ちていく様子を横目で感じながら、最後は真っ暗に。宿の周りは海と森林だけなので、自然の時間の移り変わりも楽しみながらのお食事タイム。
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海に囲まれた立地から、美味しい地魚がたくさんあり、獲れたての野菜に大きな地鶏の天草大王、ゆっくり出される一皿一皿すべてが美味しくて、普段あまり食べない私もこのときばかりはぺろりと食べてしまいました!!
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他のお客さんにも、宿で働く人たちにもほとんど出会うこともなく、干渉されすぎずに、過ごしたいように自由に振る舞え、自分の別荘に滞在しているようなくつろいだ気分を味わえました。九州を旅するときには、またここまで足をのばしたい、お気に入りな宿になりました!!
   
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