2014年12月29日月曜日

フランスでも大人気!スタジオジブリ・レイアウト展がパリにもついにやってきた。

フランスでも子どもから大人まで大人気のジブリのアニメ。映画が公開されるときはいつも話題になってます。私自身もフランスに来てから、「借りぐらしのアリエッティ」、「コクリコ坂から」、「風立ちぬ」、「かぐや姫の物語」、とジブリの映画はいつも日本好きの友だちと必ず映画館に観に行ってます。「思い出のマーニー」はすでに日本で今年の夏に観てしましたけど。
そんなフランス人も大好きなジブリ映画の展覧会、「スタジオジブリ・レイアウト展」がパリにやってきました。東京で2008年に始まって日本全国へ巡回したものです。
場所は、パリ南東の13区、比較的新しいビルが立ち並んでいる再開発地域にある、Les Docks -Cité de la mode et du design-と呼ばれる、ギャラリーやカフェ、バー、イベント会場が集まった複合施設にある美術館、Art Lidique 。2013年にできたばかりのこの美術館は、パリでは珍しく、マンガ、アニメーション、映画、ビデオゲームなどを扱っています。ついこの前までは、ピクサーの展覧会をしてました。
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レイアウトというのは、〝一枚の紙に、背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークの有無やそのスピード、撮影処理など、そのカットで表現される全てが描かれた映画の設計図〟のようなもので、高畑監督と宮崎監督が初めて導入したものなのだそうです。
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パリ展では、ジブリ以前のテレビアニメーションから、最新作の「思い出のマーニー」まで、1300以上のオリジナルのレイアウトが、ヨーロッパで初めて公開されました。
絵コンテと作画の間に行われる工程で、画面が動くときは、カメラワークに合わせて横長になったり、縦にぐーんと伸びたり、そのシーンの全体像が描かれています。それに絵コンテを手がけた監督たちから、作画のアニメーターや背景の美術担当の人へのメッセージが書かれていたり、作業の風景が見えてくるようですごく面白いです!
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映画では部分を切り取って映していくので、見ているときの全体像は頭の中で創造して理解していたのだと思うけど、例えば、トトロのどんぐりの木や、ラピュタの神殿の中の全体像が、こうなったいたんだなって、このレイアウトを見て懐かしかったです。レイアウトと一緒に、そのシーンを映像で見せてくれるのもとっても分かりやすくてよかったです。
個人的には、大好きな作品の「魔女の宅急便」で、キキが初めて街に降り立つとき、左から右に動いていくシーンで、紙が何枚も継ぎはぎされて、A1のポスターくらい大きなものになっていたのには驚きました。映画ではキキを中心に目で追っていっていて、背景を意識してちゃんと見たことがなかったのですが、こんなふうにしてカメラが動いていたんだと、アニメ映画では、実際の世界の建築で引くパースとは合っていなくて、目で見た世界を描いているというのがよくわかって感動してしまいました!
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その、実際の世界ではなく、人の目で見た世界を描くことを、
高畑監督は、〝アニメーションでは、“嘘”をつかなくちゃいけない〟
宮崎監督は、〝アニメーション映画というのは、“あやかし”〟
とそれぞれ表現していて、 その秘密を少し見てしまった気がしてうれしくなりました。
もっとジブリアニメが好きになりました!
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外は冷え込んでいたのにもかかわらず、美術館の外にはずらっと長く続く行列になってたくらいに、大人気でした!!
   
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2014年12月18日木曜日

パリ 写真月間!!パリにいながら、世界中から集まるアート写真をいっぱい観てきました。


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11月はパリ写真月間でした。毎年、この時期には、世界最大の写真フェアのパリ・フォトを、始めとするアート写真の展示会や、写真集を集めた展示会が各地で行われます。それに合わせて、パリのギャラリーでも写真の展示が多くなります!!

去年は、世界中からギャラリーや出版社が集まるパリ・フォトの様子をレポートしました。

今年は、まだ未開の写真集の展示会にもいろいろ足を運んでみました。

まずは、国立美術学校のボザールで行われていた、Offprint Paris 。20国以上から、130のアート、写真、デザインに関する本の出版社、音楽レーベルが集まっていて、訪れた人たちは本や雑誌を直接見て、その場で購入することができます!


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パリフォトは有名なギャラリーや大手出版社が出展してますが、ここはもう少し小さめなヨーロッパの出版社が多かった印象です。並べられた机の小さなスペースに、ざざっと写真集を置いていたり、入場料も無料なので学生や若い人たちが多く、自由な雰囲気でとても活気のあって楽しいフェアでした!!日本のビックサイトで行われる文学フェアみたいな感じでした。


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そして、もう一つは、polycopies 。ここはもう少しこじんまりとしているんですが、なんと、セーヌ川に浮かぶ船の中で行われてるのが面白いです。


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こんな感じで、35の写真出版社が世界中から集まってます。入場料は無料で自由に出入りできて、ここも同じようにその場で写真集を買うことができます。Offprintもそうですが、イベント期間中は、講演会がいろいろ企画されていたり、アーティストたちのサイン会もあって、。

写真集を見てるとき、ときどき、ゆらゆらっと船が動くのが少しこわくて船酔いしてしまいます。



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それから去年に続いて2回目となる、日本の若手写真家を世界に発信する展覧会、TOKYO 2020 #2。今年は、ポンピドゥー・センターの目の前にある写真ギャラリー、YellowKornerの2階で行われてました。今回選ばれたのは、前回からのKosuke山本渉水谷吉法、そして、新しく加納俊輔佐久間里美山崎雄策が加わって、日本の今の旬な写真が集まって、オープニングイベントではぎゅうぎゅう詰めなほどに大勢で賑わってました!!


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東京の展示は、2015年1月21日(水)~29日(木)にIMA CONCEPT STOREで行われる予定なので、ぜひぜひ見に行ってみてください!!私も日本に帰ったときにIMA CONCEPT STOREに行ってきたのですが、六本木のAXISビルにあるギャラリー兼、写真集や雑誌を中心としたショップで、面白いものがそろってて楽しいです!それに奥にはなんとカフェも併設していて、すっごく居心地よくてお気に入りなとこです。

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それから同じ時期に、ヨーロッパで大人気の写真家横田大輔の講演会がアート写真の美術館、LE BALで行われてたので聴きに行ってきました。写真を撮り始めた頃から、どのように自分のスタイルを確立していったのか、そして近時の展示のことなど面白い話が聞けました。地下のフロアいっぱいに次から次へと人がたくさん集まってきて、注目度が高いのが感じられました。


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このLE BAL は、最近私が気になってるスポットで、地上階にカフェと小さなショップ、そして地下にはギャラリースペースがあります。もともと戦前は地下がダンスフロアのキャバレーとして営業されていて、戦後は1992年まで賭博場だったようです。2006年にパリ市が買い上げ、2008年には世界的な写真家集団のマグナム・フォトのパリ支部のサポートを得ながら、美術館としてリノベーションされました。講演会や勉強会、ワークショップなどに力を入れているのが特徴。それに、カフェも美味しいと評判。パリの北のはじっこ18区にあって、ちょっと場所が行きづらいところにあるのですが、面白い展示が多いのでオススメです。


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それからそれから、スウェーデン会館のカフェにお昼に行ったときに、ギャラリーでたまたま見た展示がすごくよかったので紹介します。1950年にフィンランドに生まれ、スウェーデンで活動しているTuija Lindströmというスウェーデンで最も著名な写真家の展示。スウェーデンのヨーテボリ大学で初めて教授となった女性。彼女の80年代の作品を中心とした展示でした。


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彼女の捉える子どもや動物たちがすごく魅力的でかわいく、見つめる優しい視線が感じられる写真で、ファンになりました!!


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まだまだたくさんいろんなところで写真の展示をやってたので、
詳しくはここへ →http://moisdelaphoto-off.org/2014/
   
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