2013年10月29日火曜日

杉本博司さんが手がけた、古典と現代が融合する文楽「曾根崎心中」パリ公演!

数ヶ月前に、日本の文楽を学んで作品を作った、オランダのマリオネット集団、ULRIKE の公演を観てきたという記事を書きました。そのときから文楽にすっごく興味がわいてきたのに、海外ではなかなか文楽に触れる機会がなくて残念だなぁと思っていたのですが、私のお気に入りの劇場、パリ市立劇場の今年度の公演予定の説明会のときに、日本から文楽がやってくる!ということを聞いてからずっと楽しみにしていた、「杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り」を観に行ってきました!!
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© Sugimoto Studio/ Courtesy of Odawara Art Foundation
 この作品は、2011年8月に神奈川芸術劇場で初演されたもので、今年2013年9月から10月にかけて、マドリード、ローマを周り、最後には、毎年この時期に行われている、Festival D'Automne という秋の芸術祭の目玉としてパリにやってきました!(この芸術祭については以前の記事を参考)私は初日に観に行ったのですが、満席の大盛況で、最後も拍手喝采、パリの人たちも日本の文楽に魅了されてました!
過去に能舞台も手がけている、現代美術作家の杉本博司さんが、構成、演出、舞台美術を手がけていることでも話題となっていたこの舞台。斬新な解釈で創造されたこれまでにない文楽で、ヨーロッパ公演には、上の写真のように、束芋さんの映像も加わった新しいバージョンになってます。2年前のは観てないのですが、人が操る蝶々と映像の蝶々が行き来する背景で、ぽおっと浮かぶ人形のお初は、現実の世界か映像の世界か分からなくなってしまう不思議な体験でした。
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© Sugimoto Studio/ Courtesy of Odawara Art Foundation
ストーリーは、遊女のお初とお客の徳兵衛はともに愛する関係でいるのに、姪と夫婦にさせて跡を継がせようと画策する叔父に反発して徳兵衛は勘当されてしまう。返すはずだった叔父からの結納金を友人の九平次にだまし取られ、逆に詐欺師呼ばわりされ、袋だたきにされた徳兵衛は、死んで名誉挽回するしかないと覚悟し、お初に会いに行く。
信仰のあついお初は、この世でかなわない恋をあの世で成就させようと心中し、その姿に共感した当時の若い男女に心中が流行したことで、この浄瑠璃は上演を禁止されて200年間眠ったまま。昭和に入ってやっと再演されるようになったようです。
杉本さんは、「古典の復活こそが最も現代的であるような演劇空間を試みてみたいと思った」と語ってるように、2008年に発見された初版本をもとに、現在の公演では割愛されてる「観音廻り」も復活させ、また3人で操る人形ではなく、1人で操る人形も復活させ、映画「Dolls」にも出演していた、桐竹勘十郎氏が一人遣いの人形のお初を演じてます。そして、エルメスがスカーフを提供した艶やかな人形の衣裳にも注目!
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© Sugimoto Studio/ Courtesy of Odawara Art Foundation
この写真は、最後のフィナーレで杉本さんも登場。人間国宝、三味線の鶴澤 清治さん、人形遣いの吉田簑助さん、切場語りの豊竹嶋大夫さんと、人形浄瑠璃文楽座から豪華勢揃い。私は、日本の文楽を実際に観たのは初めてで、伝統的なものとの違いは分かりませんが、私のイメージしていた文楽からいい意味で外れて、ユーモアもあったり、場面構成など面白いところがいっぱいで、どんどん引き込まれていきました。文楽は、大夫、三味線、人形と役割があり、人形遣に目がいってしまいますが、特に印象に残ったのは、語りを担当する大夫でした。最初は、上手く聞き取れなかったので、字幕を読んでたりもしたのですが、だんだん耳が慣れてくると分かるようになりました。1人で全員を担当するときもあれば、数人で役をもっていたり、三味線を聴きながらの大夫の語りのリズムはクセになります。
今度は伝統的な文楽も観に行ってみたいです!!
杉本文楽が気になった方に朗報。来年3月から東京と大阪で凱旋公演が予定されてます!ぜひぜひ観に行ってみてください。私ももう一度観たい!!
東京公演
2014年3月21日(金)~23日(日) 全5公演 予定
会場:世田谷パブリックシアター
主催: 公益財団法人小田原文化財団
大阪公演
2014年3月29日(土)~30日(日) 全4公演 予定
会場:フェスティバルホール
主催: 公益財団法人小田原文化財団

2013年10月20日日曜日

イノセントを纏ったスポーツウェア Christian Wijnants 2014SS パリコレクション

前回之コレクションは記事にも書きましたが、今回のChristian Wijnantsのコレクションも見に行ってきました!去年はウールマーク賞を受賞したコレクションだったので、面白いニットのドレスが多かったのですが、春夏コレクションはニットが少ない分、どんなのかなぁと思いを巡らしてました。
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真っ白の会場に、真っ白の砂が敷いてありました。モデルさんたちが歩く足跡が残り、次に来る足跡が消していって、まるで真っ青のパンツとソックスが波のような感じで、ライトの日差しを浴びた、暑い夏の砂浜のようでした!その浜辺でスポーツを楽しむ女の子たちのためのコレクションでした。
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それから、風に吸い込まれそうな、シースルーのドレスや、白浜に溶けていく真っ白のジャンプスーツもかわいかったです。
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でも、やっぱりニットが強い、Christian Wijnantsは、秋冬コレクションのほうが面白いかなぁ

2013年10月16日水曜日

オーストラリアの女の子たちが始めたBioカフェでブランチ。 Tuck SHOP

秋もあっという間に過ぎさってしまったように、もうすっかり冬空です。日本みたいに、緩やかに寒くなっていくわけじゃなくて、一気にくるので、少しさみしい感じがします。
週末は、朝早くから動き回るほうではないのですが、朝ご飯用意してないとき、かるくブランチに行ける、おいしいカフェを見つけました。北マレ近くの、リピュブリック広場から歩いてすぐのところにあります。
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大通りから、少し小道を行ったところに、看板もなく、ちょこっとたたずんでる、Tuck SHOP。去年2012年の11月に、オーストラリアの女性3人で始めた、ビオカフェ。50年代の食器や家具もいい感じにかわいい。
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ブランチセットもいくつかあって、卵とチーズのマフィンのセット、本日のスープセット、サンドイッチセットなどなど、いっぱい選べて迷ってしまいます。いろいろ頼んだのに、食べるのに夢中で、食べかけの写真になってしまって、ほかのは撮るの忘れてしまいました。
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カウンターにずらっと並ぶ、サンドイッチやケーキ、クッキーたち。どれもビオの食材を使っていて、安心だし、おいしい!!テイクアウトもできて、お昼時間に近づくと、長い列ができてましたよ。
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店内はそんなに広くなくて、ベビーカーとかは少し大変そうでした。まわりにも、たくさんカフェがあるのに、ここの小さな場所には次から次へと人がやってきて、ずっとにぎやかでした!
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お気に入りのカフェがまた増えてうれしい。
Tuck SHOP
13, rue Lucien Sampaix
火 - 金: 10:00 - 17:00
土 - 日: 11:00 - 19:00
#tuckshop

2013年10月13日日曜日

ビビッドカラー×サムライ!? Yohji Yamamoto 2014SSコレクション

前回は、これまでの総集編のような、ブランドアーカイブの再構築を見せてくれたYohji Yamamoto。今回も、同じ場所でショーが行われました!
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安っぽく見えてしまいそうなビビッドカラーを、高級服に昇華させようという新しい試み。暗いバックにまぶしいくらいの色使いにちょんまげヘア。もし今原宿にサムライがいたらこんな感じ、っていう現代の戦隊服のようで、楽しいショーでした!オレンジの子の大きな垂れてる袖は、着物のようだし、そのままマントで飛んで行けそうなくらい。かわいかった!
もちろん、それだけじゃありません。今回面白いのは、袖つけ。
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肩がぱっくりあいていて、袖が落ちてしまってるように見える、付いてるけど付いてない未完のの袖付けを表現していてるようです。もっと近くでみてみたい!どうなってるのか着てみたいです。それから、袖なのか、布を巻き巻きしてできたドレープなのか、不思議なものまで。
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それから、ニットの素材のジャケット。カットソーのようにつるんとぴったりしてるけど、ラペルがあって、ジャケットとしての要素を持ち合わせてる。じっくりみてると気になるところがいっぱいで近くに見に行きたくなります。それにやっぱり蛍光色は少し衝撃的で楽しいコレクションでした!
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2013年10月10日木曜日

パリのアパートで、BLESS のプレゼンテーション。 来年、水戸芸術館にも上陸!

先週のパリ ファッションウィークの続きです。
毎回楽しみにしてる、BLESS HOME プロジェクト。
詳しくは、以前書いた記事へどうぞ。

今回は、BLESS HOMEプロジェクトのアパートで行われた、コレクションのプレゼンテーションにも遊びに行ってきました!
No 49、タイトルは「 Alternarrative」(次回は50回目!)
前回はアニマル柄でいっぱいだったのですが、今回は、自然の風景のプリントで、着ると風景に溶け込んでしまって、透明人間になれそう。
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いつもルックブックに登場するおなじみのBLESSの仲間たちがコレクションのアイテムを着て、BLESSのプロダクトでデコレーションされたアパートで一緒にくつろいでました。いつも気取らないで自然体なのに、とってもクールな彼女たちのスタイルが大好きです。完璧すぎないで、ちょっとしたウィット効いた隠し味のアイテムたちが、日々の生活を楽しくしてくれる。
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となりの部屋では、撮影が行われてました。すべてのルックはこちらで見れます!
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キッチンも、BLESSのウォールシールが貼られていて、そこではこのプレゼンテーションに訪れる人たちのために料理が次々作られてました。
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カラフルに盛り付けられたテーブル。ちょこっとつまんで、飲んだり食べたりしながらで、楽しい!
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サイクリングもテーマになってて、面白いヘルメットもいくつかありました!ちょっとびっくりするけど、それでもこの雰囲気になじんでしまうのが楽しい。
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ずっとくつろいでいてしまいたくなる、BLESS HOME。今回も、長く居座ってしまいました!
来年は、BLESSの新作アイテムが日本に上陸し、水戸芸術館の展覧会に出展予定です!2o14年2月22日〜5月18日まで開催される、フリーエディターの林央子さんの著書「拡張するファッション」の展覧会です。ぜひぜひ遊びに行ってみてください。私も、その期間に日本帰って、展覧会に行きたいです!この「拡張するファッション」は、発売してからすぐに取り寄せて読みました。BLESSはもちろん、大好きな、スーザン・チャンチロオや、雑誌PURPLEの初期の頃の話、そして、林央子さんが体験した、当時のパリコレクションの様子など、知らない側面や興味深いことがたくさん書かれていて、かなり面白いです。本もオススメです。


2013年10月4日金曜日

夜の水族館でマリンルックにピンヒール!Olympia Le -Tan 2014SS パリコレクション

つい最近まではずっと、どんより涼しかったパリですが、ファッションウィークに入ると、びっくりするほどに天気もよくて、暖かくて、いつもよりも春夏コレクションらしい気候に恵まれてました!
そんな中で、今年のパリではなかなか味わえなかった、夏っぽさ、を感じさせてくれる、Olympia Le-Tanのショーに行ってきました!
「A girl in every port 」というテーマで、港にいる女の子をイメージしたコレクションのショーは、なんと真夜中の水族館で行われました!!パリの水族館は高いし、行くことないだろうなって思っていたので、こんな風にチャンスが訪れようとは!
Olympia Le-Tan は、2009年にバッグのブランドを立ち上げ、本の形をしたハンドメイドのクラッチバッグが世界中で人気ですが、2012-13年秋冬からは、プレタ・ポルテのコレクションも発表しています。しかも、今年の秋からは、日本のアパレルメーカーとコラボした、Ex-Libris by Olympia Le-Tanというブランドも、日本のみで展開されます!楽しみです!
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夜の水族館っていう秘密の集まりな感じのする場所柄にもわくわくしてしまいました!デザイナーOlympiaのお父さん、Pierre Le-Tanはフランスで有名なイラストレーター。そのPierreがデザインした、お魚たちの壁もとってもかわいい!!!
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ちなみに、インビテーションもPierre のイラスト!!
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マリンブルーのボーダーに、セーラーカラー、海のリゾートな気分なのに、靴はエスパドリーユではなくあえて、ピンヒールで。
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それに、Pierreのイラストの水兵さんたちがいっぱい描かれたプリント柄もすっごくかわいかった!お魚の刺繍に、ウロコ柄のスカートも。魚たちが行ったり来たりする水色に光る水槽を背景が、マリンルックの女の子たちにぴったり!
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もちろん、ヴィンテージ好きなら絶対に憧れてしまう、本のクラッチバッグも!かわいすぎ。いつか絶対ほしい!!写真がぼやけてしまって、全部きれいに撮れてなくてすみません。
目の前を通り過ぎるモデルさんたちも、にこにこしててほんとにかわいかったし、水族館っていう特別な場所でのこういうショーは初めてだったので、とっても楽しかったです!!