2014年3月29日土曜日

こだわりドリップコーヒーと、ケーキを楽しみに。KB Cafeshop

フランスに住んでいるのに お酒が飲めないので、ブラッスリーよりは、カフェのほうが好きです。でもマシーンで出すエスプレッソにお湯を足すだけの、カフェ・アロンジェは苦手なので、フィルターで淹れてくれるドリップコーヒーを出してくれるようなところを探してます。でもパリでも最近はドリップコーヒーが流行ってきてるみたいで、いろんなところで見かけるようになったのでうれしいです!!フランス語では、Café filtreと書いてあります。filtreとだけ書いてあるところもあります。
それで、いつものように私の行動範囲はメトロの12番線沿線上なのですが、最近気になる地域のピガール駅から下った、人が集まるような場所から少し離れた周辺に、KB Cafeshop、といういい感じのカフェを見つけました!

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ドリップコーヒーは、やっぱりフランスのカフェ・アロンジェより数倍おいしい。私は、フランス人がエスプレッソの濃い苦いものに砂糖を何個も入れて飲む、あの矛盾した飲み方はどうしても理解ができないのです。イタリアのエスプレッソは美味しいって聞いたことがあるので、いつか飲んでみたいです。
お供はバナナケーキ。おいしかった!

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こっちはカプチーノ。他にも、ココアやフレッシュジュースもありました。

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Wi-Fi使えるのでパソコン使って作業してる人たちもいれば、おしゃべりしに来てる学生っぽい人たちもいたり、ちょっと休憩にきたマダムたち、いろんな人がいたりします。こじんまりとしてるので店内はいっぱいになってしまうので、もっと暖かくなればテラスもいいけど、相席もぜんぜん気にならないし、むしろそれも楽しく過ごせました。
朝は早くから、それに日曜日もあいてるからいつでも行けるけど、一つだけの難点は18時半で閉まってしまうとこ。
でもここはマフィンやケーキやお菓子も充実してるし、お昼はサンドイッチやサラダもあったり、週末の朝はブランチもあるので、また来る楽しみが増えました。この界隈はお気に入り。

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KB Cafeshop
53 ave trudaine - 62 rue des martyrs
月〜金 7:30 - 18:30
土日 9:00 - 18:30

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2014年3月24日月曜日

ドリス・ヴァン・ノッテンのインスピレーションソースを一望する幻想的な旅 パリ装飾美術館

パリの装飾美術館では毎年、一人のデザイナーを取り上げて大規模な展覧会を行ってますが、今年はドリス・ヴァン・ノッテンの30年間の歩みを辿る、コレクションのデザインのインスピレーションソースに焦点を当てた『inspirations』展が3月からパリの装飾美術館で始まりました!!
会社でもいろんな人から話を聞いていたので、気になって行ってきました。
装飾美術館は、午後3-4時くらいからは列ができるほど人気なスポットなので、できるだけ早めの時間に行くのがおすすめ。並ばずに入れたのですが、それでも週末の館内はやっぱり人でいっぱい。なかなか前に進めなくて、時間がかかってしまいました。
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今回の展示の特徴は、ドリス・ヴァン・ノッテンの初期から現在までのクリエーションをただ振り返るような、コレクションの作品が歴代ごとに並んでいるというものではありません。
ドリスのそれぞれのコレクションの膨大で様々なインスピレーションソースを紹介することで、クリエーションのプロセスの秘密を明かしてくれるとってもとっても刺激される展示でした!!
ドリス・ヴァン・ノッテンは、両親が布地の小売業を営んでいたことから、テキスタイルの世界に導かれ、1981-1986年にアントワープ王立アカデミーでファッションデザインを学ぶ。1986年には、同時期に発表したベルギー出身の他の若いデザイナーたち共に、“アントワープ6”と呼ばれるようになるファーストコレクションをロンドンで発表し、世界に衝撃を与えた。祖父は二人ともアートコレクターだったようで、小さな頃からずっとアートに囲まれて育ち、それが当たり前のようにコレクションにも影響している。
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彼のインスピレーションソースは多岐に渡っていて、イヴ・クライン、ダミアン・ハーストなどの作家の作品や、『時計仕掛けのオレンジ』や『ピアノレッスン』などの映画や写真、演劇だったり、それらがクリエーションを豊かに彩っている。個人的にはドリスが衣裳を担当している、コンテンポラリーダンス『Rain』の映像の展示があったのがすごく嬉しかったです!(余談になってしまいますが、このダンスの振付けをした同郷のアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの公演ではよく衣裳を担当して、去年観た『Dramming』もそうだったのですが、二人のコラボレーションは楽しみにしているものの一つです。) 今回の展覧会は、ドリス・ヴァン・ノッテンの2014年春夏コレクションで、美術館が19世紀のテキスタイルの資料を提供したことから生まれたもので、美術館の所蔵している19世紀のスキャパレリやディオールから、80年代のサンローラン、山本寛斎などの作品も、テーマを強調するために展示されてました。
そして注目すべきところは、特定の色に強く影響されている点。マーク・ロスコの絵画の赤色だったり、ゲルハルト・リヒターの微妙な色彩だったり。2009年秋冬コレクションでは、ロンドンで観たとき消化しきれないほどのショックを受けたフランシス・ベーコンの絵画の色使いを服に落とし込んだ。服では敬遠されがちな色のニュアンスや、身体をデフォルメするベーコンの表現方法を、服に置き換えることで、服の概念を壊してみることを試みたコレクション。
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そして、展示方法にもこだわっていて、ルネサンス時代に貴族や学者たちによって、彼らが収集した奇妙なお気に入りのものが分野を超えて陳列されていた「驚異の部屋」をイメージしている。こうやって服飾の展示で、絵画などの作品が大きく取り上げて展示されていることもあまり観たことがなかったけど、服が芸術作品によって囲まれることで、そこから生まれてきた様子が感じられてとても面白かったです。ドリスが「モードは私たちを取り囲んでいる世界へのリアクションであり、クリエーターとして自分なりの方法でそれに反応する」と言うように、様々な芸術であったり、エキゾチックな地方文化だったりが上限関係なく秩序なく入り乱れ混ざりあい、時代に影響されながら生まれてきたコレクションの秘密を垣間みてしまった気がします。
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Exhibition Dries Van Noten, Inspirations, (c) Les Arts Décoratifs, Paris.
Photographer : Luc Boegly
8月31日まで開催されてます。
Les Arts Décoratifs – Mode et textile
107 rue de Rivoli 
75001 Paris
11時〜18時 月曜休館
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2014年3月14日金曜日

ポンピドゥーセンターの脇にひっそりたたずむ、彫刻家ブランクーシのアトリエ

パリに来たことがある方たちなら、ポンピドゥー・センターはきっと行ったことがあると思いますが、入り口のある広場の脇に小部屋があるのはご存じですか?
屋根にはいつもハトがいっぱいで、少し近寄りがたく、私は何かの倉庫だと思ってました。
入り口も外から分かりにくく、ひっそりと佇んでいる隠れ家のような小屋は、彫刻家ブランクーシのアトリエを建築家レンゾ・ピアノが再現した、ギャラリースペースです。
ガラスの扉を入ってくと、真っ白い空間が広がっていて、天井からの差し込む光でギャラリーの中が思っていたよりもずっと明るいのに驚きます。
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コンスタンティン・ブランクーシは、1876年にルーマニアで生まれ、1904年にパリへやってきます。パリの美術学校、ボ・ザールで彫刻を専攻。その卒業作品の発表の場で、オーギュスト・ロダンに見出され、アシスタントにならないかと誘われます。当時、ロダンは世界的に有名なアーティストで、50人ものアシスタントが彼のために働いていたらしいです!しかし、たった一ヶ月で見切りをつけ、1916年には自分のアトリエをパリのモンパルナスの近くの15区に構えます。このアトリエでは、亡くなる1957年までずっと作品を生み出していました。1956年、亡くなる前年には、フランス政府にすべての作品、資料、道具を譲渡することを決め、パリの現代美術館が保管していました。
1977年にポンピドゥー・センターの脇にレンゾ・ピアノによって、当時のブランクーシの15区のアトリエを再現した展示室が建てられました。
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晩年のブランクーシは、新しく作品を作ることをしないで、アトリエ内にこれまでの作品を完璧に配置することに専念するようになりました。そのために、これ以上作品を売ることもしませんでした。差し込む光までも計算されたアトリエ全体が一つの作品として成り立っていたものを移動させて、新しいギャラリーとしての場所で一般に公開しなければいけなかったことに、レンゾ・ピアノは頭を悩ませたようです。内に隠されたプライベート空間というもともとのブランクーシのアトリエの特徴を壊さないようにするため、展示空間は観客から道を隔てたところに作られてます。ギャラリーの入り口からは、全く中の様子は分からなくて、ぐるっと壁を回らないと見つけられないようになっています。でも、見つけたときは、秘密の隠れ家を発見したときの高揚感があります!

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ここは、アトリエなので、ブランクーシの使っていた膨大な数の道具もすべてそのまま保存されているのが、すごく素敵な空間を作り上げてました。道具は手の延長上でなくてはいけなくて、手の動作に忠実についてこれるように、道具を手に合わせてオリジナルに修正していました。それに、彫刻のための道具ではないような、修理屋さんの古道具までも自分の思い通りになるよう適合させて使っていたようです。裏側にはこうやって道具置き場も再現されていて、見応えあります。
ベンチもあるので、そこに座ってぼーっと眺めるときもあれば、いろいろ考えごとしたり。
とても静かで、居心地よくて落ち着きます。

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ブランクーシのアトリエ
14:00-18:00 火曜日休み
入場は無料

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2014年3月12日水曜日

農家の都会暮らしを表現したBlessのプレゼンテーション N° 50 Todaying

毎シーズン楽しみにしている、Blessのプレゼンテーション。またまた遊びに行ってきました!
いつもどこかのアパートの一室で、そのときのテーマに沿ってBlessの世界を作り上げ、おなじみのBless仲間が食べたり飲んだりおしゃべりしたり、と、まるでそこで生活してるような風景をみせてくれます。そして招かれてそこへやってきた人たちも、いつのまにかそのBlessの世界の一部に取り込まれてしまってるのが面白い。

前回の「 Alternarrative」様子は、ここに書いてます。自然を纏う、自然に自らとけ込むコレクションでした。http://www.vogue.co.jp/blog/taco/archives/726

今回のN° 50「 Todaying」と名付けられたコレクションは、田舎からやってきた農家のある一家が、都会のアパートにそのまま住み着いてしまったかのようでした!
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無機質で真っ白な壁の家具もほとんどない殺風景な部屋の中では、そして床はきらきらなゴールドのシートに埋め尽くされた干草が敷かれ、そこには3種類の毛色の羊たちもいてびっくりしました。都会と田舎の自然の暮らし、相反する2つがBless風味に料理されたコレクション。

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まるでぬいぐるみな羊たちは、干し草をむしゃむしゃ食べ続けて、その様子がとてもかわいくて、モフモフで癒されました。
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それから、部屋へ入るとすかさずお茶をすすめられ、スープやパン、ケーキでもてなされてしまうから、友だちのお家に招待されたかのように、非日常のはずの空間が、親しみある居心地いい雰囲気になっていく。

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全ルックはこちらから見れます!↓

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