2011年10月31日月曜日

ゴンドラで行く!中世ヨーロッパの街(アートとヴェネツィア旅行後編)

それでは前回に続いて、ヴェネツィアです。
この、”ヴェネツィア”って、呼び名、
”ヴェニス”って言うと、ぜんぜん違う街のように感じてしまいます。
ビエンナーレつけると、やっぱりヴェネツィアってのが合ってるけど、
英語、フランス語では”ヴェニス”、だし、映画「ベニスに死す」とかもあるし、
街としては、ヴェニスって言う方が、なんかステキなイメージ。
 今回はヴェネツィア・ビエンナーレ!!
2年ごとと言っても、アートの年じゃない年は、建築の年なので、
毎年行われてるってことになりますね。
アート以外にも、ダンスや音楽なんかもあり、芸術の祭典全部やってます。
メインの会場は2つあって、その他にも街のあちこちにギャラリーがたくさんあって、
ビエンナーレに参加してました。
一番広い、GIARDINI!!すごく広い公園みたいなところに、
国ごとのパビリオンがところせましと並んでます。
ピクチャ 20
パンフレットより。
 
P9242288

 朝一番に行っても、すでにチケット売り場には長い列が。

会場入って奥の方にどどんと構えてるのがセントラルパビリオンで、
世界中から集められた83人のアーティストたちによる展示が行われてました!
P9241946

P9241974
建物の中にもハトがいっぱい入ってきちゃってる!と思ったら、
Maurizio Cattelanの作品。
フンを落とされる心配ないけど、たたずまいがリアルだから、なんかよけてしまう。
 外ですごい音するなーと思ったら、Jennifer Allora と Guillermo Calzadilla
の二人グループによるアメリカ館から。
外で パフォーマンスが始まってました。
P9242025P9242066
戦車ひっくり返した上ですっごい大きい音を出しながらウォーキングして
キャタピラを動かしてる!!
中では、体操選手が演技を披露。
P9242072
北欧館、すごくすてきでした。
森のように生い茂ってる会場の中に、ひときわ、くりぬかれたような空間が浮いてて、
中に入ってみると、すごく暑いはずなのに、しんとして
冷や汗がしみてくるような、不安にさせる空気感がありました。
そして、そのすぐ近くには、日本館。
今回選ばれたのは、束芋さん。
映像見るために、長い列ができてました!!
P9242108
そして、フランス館は、前もお伝えした、Christian Boltanski。
P9242140P9242148
そして、イギリス館のMike Nelson の暗室。
P9242169
もっと奥に進むと、橋を渡って、白い世界のパビリオンたちが迎えてくれます。
P9242248
オーストリア館、すてきでした。Markus Schinwaldの映像も面白かった!!
P9242231
あげると切りがないので、次の会場へ。
ARSENALEです。
ピクチャ 21
歩いてもそんなに遠くないところにありました。
GIARDINIよりも、少し小さいし、倉庫の中なので、涼しく観れました。
P9252413P9252733
すごーく長くてどこまでも続いて終わりがない。
入ってすぐのとこに、Song Dong。
P9252709
そして倉庫の向こうにまた森があって、そこに開催国、イタリア館もあって、
どこよりも大きかったのですが、
P9252432
アーティストたちをつめこみすぎて、建物の中に作品をこれでもかってほど
いっぱいいっぱい展示していたので、もうごちゃごちゃでした。
これだけたくさんの国やアーティストが参加してる国際的なアートイベントの中、
大きくなれば大きくなるほど全体のまとまりがとれなくなってしまうのに、
一つの国のパビリオン内だけでも、いろんなのを混ぜてしまうのは、
逆に観るのがつらくなってしまいました。
その上、この他にも、街のあちこちにたーくさん展示されてます。
P9231768
台湾の音の展示。ひと休みしながら、ソファに座って。
P9252890P9252897
歩いてて見つけたギャラリーでのTamara Kvesitadze。
かわいい看板に誘われて行ったのが、Karla Black
P9252853
などなど、まだまだたーくさんあります!!
これだけ広くて、数も多いと、全部完ぺきに観ることはとても難しい。
事前に調べて観たいのを選択しとくとか、
日程に余裕もって、何回も訪れるとかしないと。
次回は、今回を反省しつつ、また行ってみたいです。
紹介しきれなかった写真がまだたくさんあるので、もし興味あったら、見に来てください。
ヴェネツィアで撮った写真を載せてます。
http://tacochi.tumblr.com/


2011年10月29日土曜日

ゴンドラで行く!中世ヨーロッパの街(アートとヴェネツィア旅行前編)

一ヶ月前の話しになってしまうのですが、
初めて、ヴェネツィアビエンナーレに行ってきました!
パリから少し離れて、イタリアのヴェネツィアからです。
長くなるので、二回に分けて、今回は
ヴェネツィアの街について、
次回は主にビエンナーレについて書こうと思います。


もう、ずーっと前から行きたかったとこで、ヨーロッパにいる今行かないと!
ということで、両親がパリに遊びに来るのに合わせて一緒にいってきました!


パリからは、飛行機で1時間半っていう近さで、あっという間でした。
島の中に飛行場がなく本島のはしっこに降り立ち、そこからはバスで島に移動しました。

驚いたことに、本島への入口である中は自動車が禁止!
移動は主に水上バス。題名に書いておいて、ゴンドラには乗ってません。
12
荷物を運ぶのもやっぱり船!
 
P9241899
海に浮かぶ水上バス停

私は、待合の場所がすごく揺れるのですでに酔ってしまいそうなくらい。
でも水上バスは、思ったより楽しくて、ひらけたとこから、海を見ながら行くのもいいし、席に座って、街や人を眺めるのも面白かったです!
P9231601

一番やっかいなのは、街の中。
道かくねくねしすぎで、行きたいとこになかなか辿り着けない。
P9231646

パリの道は通りの名前と番地が分かりやすくて、地図と照らし合わせれば簡単に歩くことができるので、それに慣れてると、もうわけわかんないです。
P9252839
こんなちっちゃい道や橋がそこらじゅうで、しかも行き止まりもいっぱい。
16
こんなせまいとこでも、ゴンドラはどこまでも。 
ここに住んでる人たちは感覚で分かってて、道を聞いても、道の名前はいっさい出てこないで、ここをこうやって、こっちに曲がって、次をこっち
と教えてくれても、全く覚えられないし、道に迷ってばかりでした。
17
観光地って、景観がくずれるとかで、洗濯ものを外に干すのを禁止するところって
よくあると思うけど、ここはそんなのはおかまいなし。至るところに洗濯物が。
道が狭いから、お向かいの人の窓に洗濯ロープをくくりつけて、
お互い干し合いっこしてて、それがまた、すごくかわいかったです。
09
なんかいろんな色だから、国旗みたいで楽しい。
10
おじいちゃん一人、真っ赤なベンチに座ってるだけで絵になる街並みは、
ずっと歩いててもぜんぜん飽きない。
そしてそして、ビエンナーレだけじゃない目的がもう一つ。
友だちからおすすめされて行きたかった、
フランス人有名実業家、フランソワ・ピノーさん率いるピノー財団の美術館!!
もとはパリで建設される予定だったはずの、安藤忠雄さんによる、
Punda della Dogana 
pddbassa
この先の三角のところ。
こう見ると、屋根の薄い赤茶色で覆われてるなぁってのが分かります。
新しく作らないで、改装、改修、ってので生まれ変われる力のある街だと感じました。
_mg_1896edit
_mg_6247
_mg_8148edit
そして、もう一つは宮殿を改修して作られたPalazzo Grassi
 
_mg_8847_web
ここも、分かりにくい、ぐるぐる回ったところにありました。
_mg_9576_b
入った瞬間、そこだけ違う空間に飛んでしまった気がしてしまう。
楽しくて楽しくて、この美術館を二つ行き来するだけでも、
ヴェネチア行く価値ありますが、次回は、ヴェネチアビエンナーレです。
 

2011年10月20日木曜日

日本が大好きなフランス人写真家の目にうつる3.11後の日本

日本のことが好きな外国人は、一番がフランス人だと言われてますが、
それでもこの前の震災後、
日本に旅行へ出かけるのを控えてる人がまだまだ多いように感じます。
そんな中で、日本が大好きで、日本へこれまでも何回も訪れたことのある写真家の一人、
tiboさんが、ジャーナリストのFrancois Simonさんと一緒に震災直後に被災地へ赴き、
そのときのルポルタージュの写真展「Japon, le jour d’apres」が、パリ6区にあるお茶屋さん寿月堂で 行われてます。
PA053121
私はいつもお世話になってるLさん夫婦に誘われて、
オープニングにおじゃまさせてもらいました。
IMG_2617
PA053124
お茶、日本酒、梅酒、クラッカーやケーキなどが振舞われました!


Lさん夫婦は、Tiboさんと親しいお友だちで、Tiboさん夫婦が経営してる、
水の音」という名前のホテルの一番最初のお客さんでもあります。

日本の食文化や生活に魅了されたtiboさんが、畳の上に布団を敷いたお部屋に泊まって、
日本の朝食(理想的な)を手料理してくれるというホテルです。

田舎の古き良き旅館を、フランス人tiboさんがアレンジした感じ。
というくらい、日本びいきな、tiboさんにとっても、先の震災は大きな衝撃で、
このプロジェクトを開始。
IMG_2586

地下に飾られてるこれらの大きく引き伸ばした写真は、
適当な大きさに切られ、ナンバー付けをされて、カバンになり、

収益は全て日本赤十字に寄付されます。ここから、写真が全部見ることができます。
http://ftp.tibo.org/photos/japon_tsunami_2011/

PA053136

写真を見てても、しん、とした、静かな緊張感と、とても澄んだ温かさを感じられて、
優しく見守ってるという雰囲気が漂ってました。
PA053135

真ん中が、tiboさん

日本を好きでいてくれて、日本のために何かしようとしてくれてる、
外国の人がいるっていうことが、すごくうれしかったです。


まだまだ、日本の中では、収集つかない問題が山積みなのに、
時間が経つにつれて周りではあまり語られなくなってる今、
このような展示会を外国でまた改めて開くって言うことが、
とても大切なのだなと思いました。


11月5日まで、開催してます。

詳細は、こちら 
Exposition  ≪ Japon, le jour d’apres ≫

Francois Simon & Tibo

場所: la galerie Cha-zen de la maison de the japonais Jugetsudo
住所:95, rue de Seine – 75006 Paris
Metro : Odeon ou Mabillon
Tel : 01 46 33 94 90   



2011年10月15日土曜日

日本のマンガを原作にしたフランスの演劇 ー Quartier Lointain

前に劇場の年間予約をしたという記事を書きましたが、
とうとうその日がやってきました!!
1つ目は、なんと初めてのフランスでの演劇!!
一緒にチケットを予約したフランス人マダムが、
大好きだという日本のマンガが原作になっていて、ずっと楽しみにしてました。
67590482

67590487

これが原作になったマンガ、谷口ジローの「遥かな街へ」です。
出張帰り飲み過ぎて、電車で気を失った主人公が、
気づいたら故郷で14歳の子どもの頃に戻ってしまっていた、というお話です。
ちなみに、picoler と劇の始めで言っていたのですが、これどういう意味だろうって
思ってたら、お酒をたくさん飲むってことって教えてくれました。
ふー。やっぱり台詞のあるものは、フランス人と行かないとまだだめです。
私はそのフランス人マダムから教わるまで知らなかったのですが、
谷口ジローのマンガは、フランス人にすごく人気で、たくさん翻訳されてます。
私もこの作品ではないのですが、マンガを勧められて貸してもらって読んでました。
日本の作品をフランス人に勧められるのって、すごくうれしいようで、
ちょっと情けない気にもなってしまう。
いつもダンスを観ることが多く、演劇には目もくれていなかった私ですが、
この作品が面白くて、もっともっと観たいって思うようになってしまった!!
18
まず、舞台美術!!
真っ暗の中の四角い色や柄の背景の上に、家具や人が配置され、
すべてのシーンごとに、それらが完璧にデザインされた舞台は、
豪華な装置や衣装なんか必要なく、すごくかっこよかったです。
l_1280_1024_quartier04
そして、これは、映画やテレビの映像なんかじゃ体験できない、
光や音の演出、それから空気とか匂いとか、
そういう、体全体から伝わってくる、劇場だけの特別の感覚は、
頭だけじゃなくて、足の先まで覚えてるから、ずっと反芻してた。
日本でも、もっと演劇観ておけばよかったなぁと、後悔。
本当に面白い作品でした。
そしてそして、劇場は、いつものパリ市立劇場ではなく、
これまた初めての、THÉÂTRE MONFORTという、パリのはずれにある劇場でした。
IMG_1522
劇場自体は、そこまで大きくないのですが、建物が三角になってて面白いです。
barc
中はこんな感じでバーになってて、ご飯も食べれます!
ちなみに、この原作になったマンガ、
映画にもなってました!
日本からフランスに場所は変わってましたけど。
Quartier-loiontain-le-film
http://www.quartierlointain-lefilm.com/main
去年、フランスとベルギーで公開されたものみたいなので、
見つけたら、観てみます!!