2014年11月18日火曜日

フランク・ゲーリーによる、ルイ・ヴィトン財団美術館がパリに出現!クラフトワークのライブも!!

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ついに先月末、ルイ・ヴィトン財団美術館Fondation Louis Vuittonが開館しました!一般公開前の3日間は無料開放していたので、遊んできました。
場所は、中心地から少し離れたパリの西のはしっこにある、ブローニュの森の中のアクリマタシオン庭園内です。地下鉄のレ・サブロン駅から行くと、15分くらい歩いたところなのですが、歩道が暗くて冬の夜は怖いです。シャルル・ドゴール・エトワール駅から、1ユーロのシャトルバスも出てるので、夜遅いときはそれを利用したほうがよいです。
アクリマタシオン庭園は今から150年も前、1860年に開園。歴史がとっても古い!現在は、ちびっこたち向けの遊園地や乗馬場などがある、自然の中のテーマパーク。そんな緑いっぱいのところに、フランク・ゲーリーのデザインした、突如現れた真っ白な雲のような乗り物。ガラスで覆われてるので空が反射してるので、ふわっと漂ってるようにも見えます。地下部分の底は広くくりぬかれ、水辺になってるので、舟のようにも感じます。
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ルイ・ヴィトンを傘下に収めるコングロマリットであるLVMH(モエ・ヘナシー・ルイ・ヴィトン)が、メセナ活動の一環として、独自の世界観で現代美術を広め、推進していくという使命を掲げ、2006年にルイ・ヴィトン財団を設立。それから8年の歳月を経て、ついに開館となったのが財団の拠点となるこの美術館。 LVMHのCEOのアルベール・アルノー氏の個人コレクションを常設展示し、年に数回の企画展も開催する予定になっているようです。
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ファッション関連の大資本家の作った美術館と思い出すのが、ヴェネチアにある、元PPR(現在Kering)の創設者フランソワ・ピノー氏のプンタ・デラ・ドガーナ美術館。安藤忠雄氏が歴史的建造物を、美術館として改装したことでも話題となってました。
ルイ・ヴィトンは、80年代からアーティストと積極的にコラボレーションしていて、村上隆や、草間弥生のウィンドウディスプレイが記憶に新しいです。
こうした動きの中、ファッションブランド、ファッション関連の大資本が美術館を作ることに異を唱える、学者や作家、アーティストたちが、ルイ・ヴィトン美術館を批判する声明を発表してたりと、まだまだ話題が尽きない美術館。
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現在の企画展は、この美術館をデザインした、世界的な建築家フランク・ゲーリーのプロジェクトを紹介する展示。パリにあるフランク・ゲーリーの建築物は他にも、元アメリカンセンターとして作られ、現在はフランスの映画を保存、紹介している美術館となってる シネマテーク・フランセーズがあります。1989年には、ドイツにあるヴィトラ・デザインミュージアムも作り、プリツカー賞も受賞。ちなみに、アルノーは訪れたグッゲンハイム美術館に感銘を受けて、フランク・ゲーリーに依頼することになったのだそう。
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後ろに描かれているのが、ゲーリーのデッサン。このうにゃうにゃが、手前にある模型のような建物に変身してしまうんだから、驚きです。現在、ポンピドゥー・センターでは、フランク・ゲーリーの大回顧展が行われてたりもして、ちらっと窓から覗いたのですが、すごく面白そうでした。
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この美術館は、アイスバーグと呼ばれる、11のギャラリースペース、レストラン、シアターなどの大小様々な箱が点在。それを大きい12枚 の帆で覆っています。入り口でもらったマップを見てもどこに何があるのか全然分かりません。外から見たときに、いろんなところから顔を出してる人たちがいっぱいいたので、一番面白そうな最上階へまず、エレベーターで行ってみました。それから階段だったり、エスカレーターで降りて行ったのですが、階も入り組んでいて、今自分がどこにいるのか迷いに迷ってしまうのが、逆に探検してるみたいで楽しかったです!!
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また、オープニングイベントでは、レバノン人ミュージシャンのタレク・アトゥイのパフォーマンスも夜始まりました!ゲーリー建築から、サウンド・スキャンをして音を集め、それを組み合わせて作られた曲を、15人のゲストミュージシャンたちと、美術館のいろんな場所で同時にライブ演奏するというもの。
それから、アルノーはアートコレクションだけではなく音楽にも詳しく、最先端の音響施設が整ったオーディトリウムでは、音楽イベントがこれからいっぱい企画されていくようです!私もその一週間後に、ドイツのクラフトワークの世界ツアー、2012年のMOMAから始まって、ロンドンをまわってパリへやってきた「ル・カタログ12345678」のライブを観てきました!!彼らのアルバムから歴代の代表作を3D映像と一緒に演奏。お客さんの年齢層は50代以上が多くて高めでした。会場は小さいのですぐ目の前に見れたし、久しぶりのライブだったのですっごく楽しかったです!!
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ぎりぎりメトロ圏内ではあるけど、カルティエ財団美術館のようには、なかなか気軽に行けるという場所ではないのは難点かなと思います。でも、音楽イベントやパフォーマンスなどはチェックして、面白そうなのあったらまた行きたいなと思います!!
行き方など詳しくは、こちら↓
   
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2014年11月9日日曜日

エルメスの馬具 × ドリス・ヴァン・ノッテンの衣裳! ジンガロのバルタバスが率いるヴェルサイユ馬術アカデミー

パリに住んで5年目になりますが、先週ヴェルサイユ宮殿を初めて訪れました。
機会にめぐまれずいつもからぶりでなかなか行けませんでした。11月から3月までのローシーズン中は、フランス国立美術館と同じように、毎月第一日曜日のみ無料になります。それに合わせてついに念願の入城を果たしました!!すごく混むとうわさで聞いていたのですが、そんなことはなく、チケット売り場に列がないからなのか、すんなりと入れてしまいました。第一日曜日は狙い目かもしれないです。
ヴェルサイユ宮殿はパリに来たら外せない観光スポットだと思うので、行ったことのある人たちはたくさんいると思いますが、宮殿でもらったマップを広げてみると、宮殿手前の駐車場のもっと手前に厩屋が二つあります。その東側の大厩屋は、今はヴ ェルサイユ馬術アカデミーになっています。
その昔、ルイ14世が宮殿を建てているときの1683年、600頭の馬と、騎手、馬の世話をする人たち、音楽隊たちを収容する二つの建物も同時に作りました。フランス革命で閉鎖されてしまっていたのですが、2002年に、本来の役割であった厩屋として使うようにしようという動きになり、世界的に有名な騎馬スペクタクル集団のジンガロを主宰する、バルタバスに大厩屋の再生を託し、馬術アカデミーを開校することになりました。
その、バルタバスが率いるヴェルサイユ馬術アカデミーのスペクタクルショーをこの大厩屋で観てきました!
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ヴェルサイユ馬術アカデミーは、学校でもあり舞台芸術カンパニーでもあって、日々進化していき、馬術の技術を伝承するだけではなく、アーティスティックな要素を盛り込んでいる。その中には、フェンシングやダンス、歌、そして弓道もあり、ショーは、それらすべてを組み合わせていている内容になっていました。
その実、ショーの最初は大きな弓を持ち袴を履いた女性が3人現れて、お互いにと客席とに挨拶をして始まったのにはびっくりしました!
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手入れの届いた素晴らしく美しい毛並みで、たてがみやしっぽの毛を、髪の毛みたいに編んでいるもの素敵で、馬たちが疾走する姿に見とれてしまいます!!馬具はエルメスが提供していて、騎手たちの衣裳はドリス・ヴァン・ノッテンがデザインした、色褪せたヴィンテージ感のあるジャケットとグレーのパンツ、縞模様のベルト。意外なところで共演しているとこにも注目。
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木の骨組みと鏡で覆われた劇場は、バルタバスの騎馬集団ジンガロの拠点としている、パリ郊外のオーベルヴィリエのジンガロ劇場を作った建築家パトリック・ブシャンが改装してます。
[youtube=https://www.youtube.com/watch?v=tgLlbfhDxlk]
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外から見た、大厩屋。馬が彫り出されている門もかっこいいです!!
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ショーの後は、実際に馬たちが出番を待っている厩屋も見学できます! レトロな雰囲気が残ってます。ブティックも覗いて、すっかり大満足。馬好きな人はもちろん、初めて体験する人たちもぜひ、ヴェルサイユ宮殿に行くときは、大厩屋で馬術アカデミーのショーも一緒に楽しんでみてください!!45分前までならその場でチケットを購入できます。
また、大厩屋だけではなく、このヴェルサイユ馬術アカデミーは、世界的な音楽家とコラボレーションして作品を発表してます。2013年には、アメリカ人の元パリオペラ座ダンサーで振付家のキャロリン・カールソンのカンパニーと一緒に、パリ北部の ラ・ヴィレット公園にある大ホールで、『we were horses』を発表。これが私の初めて観た、バルタバスによる騎馬スペクタクルショーでした。
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↑これです。前日に日本からやってきた両親を無理やり連れて観に行ったのが懐かしいです。案の定、母は半分くらい寝てました。
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劇場の裏の様子。
なんとこの『we were horses』の一部分が、今回のヴェルサイユのショーの最後に組み込まれてて、また観れて嬉しかったです。
私が、バルタバス率いるジンガロを知ったのは、“日本に来日公演がある”、という一時帰国したときに見たJR山手線のつり革広告でした。そのときは、1万円を超すチケット料金に尻込みして行くのを断念したのですが、ジンガロはパリ郊外にある劇場を拠点にしているっていうのをネットで見て、そこで公演があるのを調べてやっと去年の冬にジンガロ劇場に行けたときは感動しました!
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劇場はまんまるの形をしていて、前の方の席は土をかぶるほど近いです。そのとき観た作品の『Calacas』は、手を伸ばせば届くくらい馬もすぐそこまでやってきます。 馬たちがかっこいいのは言うまでもなく、騎手の人たちも天井から降ってきたり、ヘンテコな楽器を鳴らして踊って会場を盛り上げ、めくるめく展開にドキドキ興奮しっぱなし。本当にすごかったです!!それに客席の外側もぐるっと一回り全体が舞台になっていて、馬たちが目で追えないほど全速力で疾走しているとき、その速さを疑似体験したみたいで感動的でした!!
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待合室のテントがこれまたすごい。まわりに歴代のポスターや写真、衣裳が展示され、中央はバーとレストランになっていて、講演後はディナーも楽しめます。
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来年もまた、ジンガロかアカデミーの作品を観に行きたいなぁ。それに乗馬もしてみたくなってしまいます!
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