ついに先月末、ルイ・ヴィトン財団美術館Fondation Louis Vuittonが開館しました!一般公開前の3日間は無料開放していたので、遊んできました。
場所は、中心地から少し離れたパリの西のはしっこにある、ブローニュの森の中のアクリマタシオン庭園内です。地下鉄のレ・サブロン駅から行くと、15分くらい歩いたところなのですが、歩道が暗くて冬の夜は怖いです。シャルル・ドゴール・エトワール駅から、1ユーロのシャトルバスも出てるので、夜遅いときはそれを利用したほうがよいです。
アクリマタシオン庭園は今から150年も前、1860年に開園。歴史がとっても古い!現在は、ちびっこたち向けの遊園地や乗馬場などがある、自然の中のテーマパーク。そんな緑いっぱいのところに、フランク・ゲーリーのデザインした、突如現れた真っ白な雲のような乗り物。ガラスで覆われてるので空が反射してるので、ふわっと漂ってるようにも見えます。地下部分の底は広くくりぬかれ、水辺になってるので、舟のようにも感じます。
ルイ・ヴィトンを傘下に収めるコングロマリットであるLVMH(モエ・ヘナシー・ルイ・ヴィトン)が、メセナ活動の一環として、独自の世界観で現代美術を広め、推進していくという使命を掲げ、2006年にルイ・ヴィトン財団を設立。それから8年の歳月を経て、ついに開館となったのが財団の拠点となるこの美術館。 LVMHのCEOのアルベール・アルノー氏の個人コレクションを常設展示し、年に数回の企画展も開催する予定になっているようです。
ファッション関連の大資本家の作った美術館と思い出すのが、ヴェネチアにある、元PPR(現在Kering)の創設者フランソワ・ピノー氏のプンタ・デラ・ドガーナ美術館。安藤忠雄氏が歴史的建造物を、美術館として改装したことでも話題となってました。
ルイ・ヴィトンは、80年代からアーティストと積極的にコラボレーションしていて、村上隆や、草間弥生のウィンドウディスプレイが記憶に新しいです。
こうした動きの中、ファッションブランド、ファッション関連の大資本が美術館を作ることに異を唱える、学者や作家、アーティストたちが、ルイ・ヴィトン美術館を批判する声明を発表してたりと、まだまだ話題が尽きない美術館。
現在の企画展は、この美術館をデザインした、世界的な建築家フランク・ゲーリーのプロジェクトを紹介する展示。パリにあるフランク・ゲーリーの建築物は他にも、元アメリカンセンターとして作られ、現在はフランスの映画を保存、紹介している美術館となってる シネマテーク・フランセーズがあります。1989年には、ドイツにあるヴィトラ・デザインミュージアムも作り、プリツカー賞も受賞。ちなみに、アルノーは訪れたグッゲンハイム美術館に感銘を受けて、フランク・ゲーリーに依頼することになったのだそう。
後ろに描かれているのが、ゲーリーのデッサン。このうにゃうにゃが、手前にある模型のような建物に変身してしまうんだから、驚きです。現在、ポンピドゥー・センターでは、フランク・ゲーリーの大回顧展が行われてたりもして、ちらっと窓から覗いたのですが、すごく面白そうでした。
この美術館は、アイスバーグと呼ばれる、11のギャラリースペース、レストラン、シアターなどの大小様々な箱が点在。それを大きい12枚 の帆で覆っています。入り口でもらったマップを見てもどこに何があるのか全然分かりません。外から見たときに、いろんなところから顔を出してる人たちがいっぱいいたので、一番面白そうな最上階へまず、エレベーターで行ってみました。それから階段だったり、エスカレーターで降りて行ったのですが、階も入り組んでいて、今自分がどこにいるのか迷いに迷ってしまうのが、逆に探検してるみたいで楽しかったです!!
また、オープニングイベントでは、レバノン人ミュージシャンのタレク・アトゥイのパフォーマンスも夜始まりました!ゲーリー建築から、サウンド・スキャンをして音を集め、それを組み合わせて作られた曲を、15人のゲストミュージシャンたちと、美術館のいろんな場所で同時にライブ演奏するというもの。
それから、アルノーはアートコレクションだけではなく音楽にも詳しく、最先端の音響施設が整ったオーディトリウムでは、音楽イベントがこれからいっぱい企画されていくようです!私もその一週間後に、ドイツのクラフトワークの世界ツアー、2012年のMOMAから始まって、ロンドンをまわってパリへやってきた「ル・カタログ12345678」のライブを観てきました!!彼らのアルバムから歴代の代表作を3D映像と一緒に演奏。お客さんの年齢層は50代以上が多くて高めでした。会場は小さいのですぐ目の前に見れたし、久しぶりのライブだったのですっごく楽しかったです!!
ぎりぎりメトロ圏内ではあるけど、カルティエ財団美術館のようには、なかなか気軽に行けるという場所ではないのは難点かなと思います。でも、音楽イベントやパフォーマンスなどはチェックして、面白そうなのあったらまた行きたいなと思います!!
行き方など詳しくは、こちら↓
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