2012年9月30日日曜日

天然素材のやさしい、アントワープの子ども靴 ーNathalie Verlinden

子どもとマタニティの服と雑貨の合同展示会、プレイタイムパリに初めて行ったときに、ひとめぼれしてしまったNathalie Verlinden の子ども靴。
Mona-(2)

展示会では、靴のブランドももちろんたくさん出展していましたが、ちらっと目に入って気になってからは、ここの靴だけは忘れられませんでした!毎回お話聞かせてもらってるのですが、3回目にしてやっと、連絡を取り合うことができました。

子どもの服やアクセサリーにありがちな、派手さや安っぽさが全くない。
そして、天然のやわらかい革を使い、環境に優しい水性の染料でつけた色はとても優しく、シックにもカジュアルにも、どんな服にもしっくりなじむ。ビニール製は一切使用せず、靴の中も底も木や革が使われて、子どもの足にだからこそ、自然の素材が安心。自然のものから生まれるフォルムの靴を。すぐに、サイズが変わってしまう子ども靴は何足も買えないから、オールマイティなのはいいです。
Ricardo
Otis-(2)
 デザイナーのNathalieは、ベルギー出身で、あのアントワープ王立芸術学院を卒業。ドリス・バン・ノッテンで働いた後、インドネシアに渡り、手作りの靴の自分の小さなアトリエを開きました。その後は、イタリアへ移り、2000年から本格的に自分のブランドを立ち上げて、現在は、ベルギーとイタリアのアトリエで靴作りに励んでいます。それ以外にも2004年にはラフ・シモンズに、2006年からはブルーノ・ピータースのための靴作りなどデザイナーたちとコラボもたくさん。

なんと、2011年から、kicokids(前に書いた記事)ともコラボしてたみたいです。
私の好みのブランドたちでのコラボって、すごくうれしくなります。
そして2011年には、フランスの子ども服雑誌Milkから表彰されました。

前回の展示会では、革のカバンも作ってたり、帽子も始めたり、これからもっともっと楽しいことをしてくれそう!

リスのマークが、ブランドのトレードマークなのですが、それもさりげなくてかわいい。
写真がなくて見せれないのですが、サンダルもすごくかわいかったし、水玉柄もあったり、色もたくさん種類があって、どれもこれも集めたくなってしまうものばかりです。
Billy

日本では、レディースの靴しか取り扱っていないのは残念。
でも、子ども靴の日本上陸も近いはず!!楽しみにしてます!

2012年9月29日土曜日

スタイリッシュに、でもちょっとした遊び心を忘れないアクセサリー Ruta Kiskis

ついに、前に紹介したアクセサリーデザイナーのRutaが、新しいコレクションを発表するためパリにやってきました!
彼女は、私がBLESSでインターンしていたときの同期の、リトアニア出身の女の子です。
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この前紹介したときからブランド名も新しく、Ruta Kiskis と変えて、そしてクレイを使ったアクセサリーはなくなり、よりスタイリッシュで、大人っぽい雰囲気に。それは、久しぶりに会った彼女の、よりすてきなお姉さんになってた変化にも現れてました。
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それでも、彼女独特のひとくせもふたくせもあって、いつも楽しい驚きでいっぱいなのは、相変わらず。そこが私はほんとに、大好き。
まずは、見てみて!と、持ってきたのがこれ!
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腕にキスされてるリング!!
ちょこんと、キスマークがついてるんです。
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パールを食べてるリング。
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これは、手に角砂糖のっけてるんじゃありません。角砂糖のリング。
ちょっとびっくりしちゃう、甘いリングです。(本物の砂糖ではないです)
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ブレスレットにもなる、パールのピアス。
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今度のブレスレットは、
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ブローチにもなります。
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こぼれ落ちそうなパールシリーズに、今回は、ロケットペンダント。
とっても繊細ですてきでした。
そして、面白かったのが、これ。
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はずれちゃって、落ちそうになってる瞬間!
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つけるとこんな感じ。はずれてるよって、思わず声かけてしまいそう。
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これも、そのシリーズで、ネックレスが切れちゃって、パールが落ちてしまいそうな瞬間。こういうところに、Rutaの楽しいセンスを感じます。
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黒い机に、チョークで絵を描いてるのがかわいい展示の仕方でした。
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こちらが、デザイナーのRuta。先日ニューヨークで、BLESSインターン仲間のEricと一緒に展示会をしたばかり。ちなみに、そのEricのブランド、House of 950のトップスを着てます。
日本でも、大阪に取り扱ってくれるお店が見つかったようなので、これからもっとRutaのアクセサリーに出会えることが増えてくると思います!!ほんとに楽しみです!!
私も、大ファンとしてずっと応援してます!!

2012年9月25日火曜日

芸術の秋、パリで出会う田中泯のソロ公演「場踊り」と講演会

毎年この時期にパリでは、秋の芸術祭 (FESTIVAL D'AUTOMNE A PARIS)が行われてます。アート、ダンス、演劇、音楽など、この時期にたくさんの公演がパリの様々な劇場で企画されています。
そして、今年は日本が特集されていて、ダンスからは、田中泯さん、笠井叡さん、他にも、演劇からは平田オリザさん、音楽からは池田亮司さんなどなど、そうそうたる方々がパリで公演されます!!楽しみですね。

その中で、先頭を切るのは、田中泯さん
その公演に先駆けて、日本文化会館で行われた講演会にも参加してきました。
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パリに初めて78年に招聘されて、裸体で地を這うように踊る日本人に衝撃を受けたパリの人たち。当時警察に囲まれたこともあったとか。
田中氏の、ダンサーとなるいきさつや、どのようなことを考えて踊りをしてるのかについてなどなど、とても面白い内容でした。 

会場に現れた田中氏は、とても静かな面持ちで、ゆっくりと席に着く。そうすると、会場のずれていた、ざわめいていた空気は、すうっと秩序よく収まり演壇に向かってぎゅっと整列しなおした。
私は、こっちに来てから毎月のようにダンスや舞踏を観ているけど、なんで、こんなに惹かれるのだろうっていう疑問に対する答えに、まだ言葉には上手くできないけど、少し近づいたような、ヒントを得た気がしました。
講演中は、厳しい表情でするどい目をして真剣に考えながらお話をされていたのですが、ときおり見せる、目尻にぎゅっとしわをよせる、おもわずこぼしてしまった笑顔がとっても印象的でした。日本では農業をしながら生活し、自然の中から踊りが生まれてくる瞬間を捉え、自分の命より踊りが大切だと語る、ダンサー田中泯の生の声を直に感じることができて、とても貴重な体験でした。
そして、土曜日の公演。
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初めて訪れた、1876年に建てられたTheatre de Bouffes du Nord
何度も名前が変わったり、ところどころ改修工事はされてはいるものの、当時の趣の残る、とってもすてきな劇場でした。
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あちこちゆがんでいたり、文字や壁画が消えかかっていたり、床が落ちてしまうんじゃないかと心配になるくらいの劇場。でもそれらが、これまで100年以上もここで行われてきた公演のダンサーたちや役者、音楽家たちの見えないその凝縮された空気感、それと観客たちの感動や驚きや、いろんな思いを物語ってるように感じました。
そして、この劇場の驚いたところは、舞台と観客席との境界がないところでした。一番前の席は舞台と同じ、その延長上にあります。バルコニーから見ると大きな舞台に感じるけど、下に降りてみると舞台との距離は思ったよりもかなり近いです。
そんな、歴史の充満してる劇場での、今回の「場踊り」。
「私は場所で踊るのではなく場所を踊る」
そう語られるように、日本全国、様々な場所で、その場を感じたまま踊る。
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縄で作られた人形たちが舞台にいました。
そう、まるで、観てる人たちが向こう側にもいるように。輪になってるところで踊ってるよう。
真っ暗な中ろうそくだけを持って、古ぼけた大きな羽織をまとい帽子をかぶって、お酒に酔った浮浪者みたいな様子で舞台に登場。ところどころで流れる朗読のテープ以外の音はない。静かな劇場に響く観客の咳払いに呼応するように、田中泯は数回、咳をした。そして、ときおり狂ったようなひきつった笑い声をあげる。
この暗がりの中のろうそくの小さな明かりと共に踊っていたのですが、3階席のバルコニーからはほとんど見えません。でも劇場全体に視野を広げてみると、劇場に広がるその大きな影で語ってるのが分かったときは、こころが踊りました。日本各地では野外で自然の中で踊ることが多い「場踊り」ですが、今回はパリのこの劇場の特徴を十分に活かした、照明が雰囲気を盛り上げていました。自然との対話から、この百数十年の劇場と向き合うことで生まれた踊り。限定された空間は劇場の特権のはずなのに、劇場にいることを忘れて、この丸い空間だけくりぬかれてしまって、田中泯の古ぼけた羽織の中に吸い込まれた感じ。
寝入り端にふっと底なしの空間に落ちて行く感覚が怖くて無理矢理にも目を覚ますように終わった公演に、会場からわき上がる拍手はずっとやみませんでした。



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2012年9月17日月曜日

夏の建築めぐり -2 ちょっとより道、バーゼルからヴィトラの建築三昧

前回書いた記事の、ロンシャンの礼拝堂から、スイスのバーゼルまで、
とっても近いっていうことだったので、より道してきました。
バーゼルって言えば、世界最大の現代アートフェア、アート・バーゼルが有名ですよね。私は、アートの街なんじゃないかなぁ、くらいにしか思ってなかったのですが、ここは、建築の街、でもありました。小さな街なのですが、いたる所に、面白い建物が建ってます。
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こんなのとかが、歩いて数分ごとにいっぱい。上は、スイスの代表的な建築家でワタリウム美術館もてがけてるMario Botta(1995年)。下もスイスの建築家、Burckhardt+Partner (1976年)。
それに加え、美術館の入館料がすごく高い!
外観だけ見て、チケット売り場で引き返すってことが何度あったことか!
パリの美術館が良心的な値段なのかもって思ってしまうくらい。

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Renzo Piano (1997/2000年)による、Fondation Beylerとか、
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Mario Botta (1995年)による、Museum Tinguelyなどなど。
何にも下調べもせず、行き当たりばったりの旅で、
とりあえず、観光案内所で地図やら交通機関の路線図やらをもらいました。
あと、バーゼルの街の建築マップみたいなのをもらいました。
そのパンフレットに、なにやら面白そうなところを発見。
ヴィトラ キャンパスという、
チャールズ&レイ・イームズのチェアを始めとする、
たくさんのデザイナー家具の製品化や名作家具の復刻をしている、
世界的に有名な家具メーカー vitra.(ヴィトラ)社のショールームと工場。
ヴィトラは、スイスとドイツの国境に位置する、ドイツにあります。
でもバスを、乗り継げば簡単に行けそうでした。
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バーゼルでは、街の人はほとんど英語が分かりません。ドイツ語でした。
道を聞いたり、バスの運転手さんに聞いても、ドイツ語。全然分からない!
ヴィトラは、ドイツにあるので、バスでも途中から運賃が変わります。
始め全然分からなくて、バスの運転手さんもまあいっかっという感じで、
バーゼルの乗車券で乗せてくれました。
ヴィトラ キャンパスは、びっくりするほどとっても田舎にあります。
ここ以外他何もありません。
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迎えてくれたのは、安藤忠雄さん(1993年)によるセミナーハウス。
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Frank Gehry(1989年)による、ヴィトラ デザイン ミュージアム
ヴィトラ社の数千点におよぶイスや家具のコレクションを保管し、
一般向けに展示もしてる、美術館です。
そして 、
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東京のプラダのブティックや、北京オリンピックのメインスタジアムもでがけているHerzog & de Meuron (2010年)によって設計された、ヴィトラ ハウス。
ここが、メインの建物になっていています。
カフェでお昼を食べてから、見学開始。
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子どもたちも、いっぱいでした。
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この建物の中が、全部ショールームになっていて、
ヴィトラ社のコレクションたちがところせましと展示されています。
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これら、展示されているもので気に入ったものがあれば、
その場で買って帰ったり、オーダーすることができるという仕組み。
ショップでは、名作家具の復刻ミニチュアチェアにも出会えます!
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ちょっと見にくいですが、ヴィトラ キャンパスの全体地図。
これだけ広い敷地にSANAA、Nicholas Grimshawによる工場、
Zaha Hadidによる、消防署などなどが建っています。
建築の見学ツアーもありました。
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 子どもたちや大人向けにも、ワークショップもあったり、
一日中楽しめて、遊べて、学べる、面白いスポットでした!!
またいつか来たいなぁと思います!!
バーゼルへバスで戻って、またゆっくり建築散歩。
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新しい美術館の建設もされてました。
こういう、大きな建設現場は、パリではほとんど見たことがありません。
道路の舗装工事、古い建物の改修工事、くらい。
なので、新しい建物に囲まれているこの街は、すごく新鮮に感じられました。 
それと、スイスは、ユーロじゃないです。スイス・フラン。
カードでなんとかなるかなぁと思って、両替はしませんでした。
でも、カード使えないスーパーでは、
スイス・フランもってないなら、ユーロでも大丈夫、
ということで、ユーロでも支払うことは可能なとこが多いみたいでした。

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やっぱり一日では、全部まわりきれなかったので、
またいつか遊びに来たいです!
今度は、アート・バーゼルに行きたい!!

2012年9月12日水曜日

コカ・コーラ ライトが、ジャン=ポール・ゴルチエによってモードに大変身!!

私は普段、全く、コーラを飲みません。
飲めないわけではないけど、飲みたいって気分にならないです。
でも、これだけはどうしても買ってしまうものがあります!!
コカ・コーラ ライトの、 ファッションデザイナーたちとのコラボ。
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今年はなんと、60歳になる、ジャン=ポール・ゴルチエ!
数ヶ月前から、新聞やネット、街中のポスターで目にしていたのですが、
忘れてたころに、ついにスーパーで見つけてしまいました!!
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裏はこんな感じ。
一目で、ゴルチエだって分かってしまう、
トレードマークのボーダーと、黒のレース。
ボトルを人に見立ててる!!
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おなじみの缶も衣替え。
いつもとちがうと、気になってしまいますよね。
それに、ジャン=ポール・ゴルチエがCMにも登場していて、
それがとってもかわいいのでどうぞ!
メイキングもありました。
ポスターも、すごく面白いんです。
ちなみに前回は、カール・ラガーフェルド。
シルエットで分かる人って、そうはいないです。
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私は、初めてこのコラボの缶を見つけたとき、
本当に驚きました。
なんか、おしゃれな飲み物、みたいに仕立ててしまってるとこが、
フランスのコカ・コーラって、すごい。って。
ファッション界の大御所とコラボしちゃうなんて。
 ファッション以外では、最近だと、
ダフト・パンクなど、ミュージシャンとのコラボもあったり。
日本では、ペプシコーラのスター・ウォーズのボトルキャップを、
映画が発表されてキャップが付くたびに、買ってもらって集めてました。
ほぼ全種類出るまで、買い続けてて、
私はほとんど飲まないので、お父さんと弟が飲んでました。
日本のペットボトルだとよく行われてる、
この、おまけ、っていうキャンペーンは、
フランスではあんまりないかもしれないなぁと思い出してみると、
覚えてるので、かわいいって思ったのは、これ。
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イノセントというスムージーたちが、
冬の寒い日になるとニットキャップをかぶります。
このニットは、フランス中のたくさんの人たちの手作りによるもの。
1人暮らしのお年寄りを支援するチャリティーです。
興味深い取りくみだなぁって、とっても感心してしまいました。
こういった、の商品に普段見むきもしない人たちの心をつかむのに、
(私みたいにコーラに興味がない人とか)
大成功してると思います!
だって、もう次のコカ・コーラ ライトの、
コラボするデザイナーを楽しみにしてるんだから!!