先週末のフランスは、Journée de patrimoine 文化遺産の日で、普段は一般公開されていない歴史的な建造物を、年に一度だけ公開してくれる日でした。私は今年初めて参加しました。
今年は、パリに滞在している建築に詳しい研究者の友だちが誘ってくれて、140年前のチョコレート工場を見学しに行ってきました!
パリの郊外行きの電車、RERに乗って20分、パリとは全く違う景色の広がる、静かな小さな町Noisielに着きました。木が生い茂る長い遊歩道を通り抜け、少し迷いながら住宅地を過ぎると、人の流れが見えてついて行ったら、もうすでにたくさんの人たちが列になっていて、この町の人たちには有名なスポットみたいでした。
ここは、Menierという1816年に創業したチョコレートの会社の1872年に建てられた工場でした。もともとは薬としてカカオパウダーを売っていた製薬会社で、その後、タブレットのお菓子のチョコレートを作るようになりました。1988年にスイスの大企業Nestlé(ネスレ)のグループ会社となり、1996年からこの場所がNestléのフランスの本部として使われるようになりました。今でも、Menierのチョコレートはどのスーパーに行っても置いてあります。黄緑色の背景に女の子が描かれているクラシックなパッケージで気になるチョコレート。
Nestléの敷地はとっても広いのですが、その中でも、カラフルでとってもかわいい目を惹くのがLe Moulinと呼ばれる、カカオの豆を砕くための建物。世界で初めてレンガを積んでいくのではなく、鉄骨を組んで作っていった建物で、国の歴史的建造物に指定され、ています。時計や屋根の下にも、とっても素敵な装飾がされてます。チョコレートのための建物ががこんなにかわいくて、夢があって、わくわくさせられます!
少し歩いて、続く次の建物は、La Halle Eiffelと呼ばれるあのパリのエッフェル塔を作ったEiffelが手がけたものです。
アーチの天井の真ん中から差し込む光でとっても明るい、チョコレートを保存するための場所だったところで、ここではNestléらしく、コーヒーを配ってくれました。朝早かったので、宣伝のためだったとしても、こういうのってうれしかったです。私たちは、ココアをいただきました!
その地下では、Nestléの歴代の広告の展示でした。赤ちゃんの粉ミルクから始まった会社なだけに、赤ちゃんの絵ばかりで、かわいかったー!
中庭を通りすぎていくと、
さっき見た、カラフルな建物の地下に辿り着き、そこでは、当時使われていた機械が展示されてました。全く仕組みは分からないのですが、こんなに大きく難しそうな機械じゃないと、チョコレートって作られないのかとびっくり。
そこを出ると、こんな運河が広がっていて、向こうには森が見えます。サイクリングしてる人たちもいたりして、パリから数十分のところにある大企業の敷地だとは思えないくらい自然がいっぱい。こんなところだったら、毎日気持ちよく仕事できそうだなって思いました。
柱の面白い、La Cathédraleは、エッフェル塔建設ではEiffelのもとでデザインに携わっていた、Stephen Sauvestreがてがけた建物。コンクリートの建物で、カカオと砂糖が混ぜられてチョコレートとなるまさに聖域な場所でした。ここでも、 コーヒータイム。インスタントのいろんな種類の味のカプチーノを配ってくれました。ほんとに広いので、ちょこちょこある休憩所は助かります。
さっきの運河を橋で渡ります。家族連れの人たちもたくさんいました。
最後は、企業の商品や活動がパネルで紹介されてるところを通っていきます。
そして、最後には、袋いっぱいのチョコレートのおみやげ付き。普段は入れない、企業の私有地なので、こうやって見学できってとっても楽しかったです!忙しない、ぎすぎすした、大企業っていうイメージが崩れるような、緑いっぱいで視界が開けて広く、穏やかな雰囲気で、建物だけで印象ってこんなに変わるんだと驚きました。日本でも大人の社会見学ってことで、工場やダムの見学は話題になったりしますが、こういう歴史的な建造物をしっかりと保存して、一般の人たちにも公開するっていうのは企業のアピールにもなるし、フランスの始めたこの文化遺産の日っていうイベントも有意義なものでした。フランスの人たちみんな楽しみにしてるみたいで、月曜日には会社でもどこどこに行ってきた、なんて話してたり、文化を大切にする気持ちが根付いてるように感じました!
駅からの道のりで見つけた、素敵な公園。
次回はパリに戻って、このイベントの続きを書きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿