2012年2月19日日曜日

美輪明宏のドキュメンタリーを撮ったフランス人監督 パスカル=アレックス・ヴァンサンの語る日本のクラシック映画の魅力 Vol.1

前回は、伝記映画『イヴ・サン=ローラン』について書いたので、また映画の記事が続きますが、去年の夏から日本全国で次々と上映されていた『美輪明宏ドキュメンタリー ~黒蜥蜴を探して~』をもう観ましたか?このドキュメンタリー映画を撮ったのは日本人ではなく、なんと日本のクラシック映画を愛する若いフランス人監督、パスカル=アレックス・ヴァンサン。深作欣二監督の『黒蜥蜴』の大ファンだったパスカルさんは、どうして主演の女性の名前がアキヒロという男性の名前なんだろう?ということに疑問を抱き、調べていくうちにますます美輪明宏という人物の魅力に引き込まれ、ぜひドキュメンタリーを撮りたいと思うようになったことがきっかけで実現した映画。
Impression
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監督が編集したフランスのテレビ用の短いバージョンと、日本の市場向けのバージョンと二種類あります。私は、フランス向けしか観ていないのですが、三島由紀夫や寺山修二など、すでに伝説となってる偉大な人たちから愛され、時代を超越した美輪明宏という希有な人物の秘密に迫るもので、存在の大きさに圧倒されます。自宅での取材や、横尾忠則、深作監督へのインタビューなど、貴重なアーカイブも満載でもっと美輪明宏作品を観てみたくなりました!

私が監督のことを知るようになったのは、日本映画が大好きなフランス人の友人から。パスカル監督は、2年前からパリ第三大学で日本の古典映画を教えています。その講義を去年受けていた友人は、会うといつも、面白い講師がいるんだ!って嬉しそうにすから、ぜひ会ってみたいとずっと思っていました。連絡するとすぐにOKしてくれ、週末に監督行きつけのカフェでお会いすることができました。とっても表情豊かで気さくな、かわいらしい方で、時間は短かったですが、この映画にまつわるエピソードや、パスカル監督が感じている日本のクラシック映画の魅力を聞いてみました。

 [youtube=http://www.youtube.com/watch?v=uj7wsq6TxhU&feature=youtu.be]
[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=h_8rJOSCGsE]
<美輪明宏のドキュメンタリーを語る
パスカル監督が、ドキュメンタリーを撮りたいと思い立ってから手紙を送ったら、始めはただ驚かれ断られてしまっていた。それから自分の撮った映画のDVDを送りどういった監督なのか知ってもらえてから了承してくれ、最終的な判断は、“直接会ってオーラを見たい”、と言われたのだそう。ちょっとびっくりする出来事に戸惑うも、無事にオーラの試験もクリアし、撮影に入れたということでした。美輪明宏らしい、といえばそうだけど、ちょっと面白いです。
フランスのテレビ向けとは大きく異なる、日本市場向けの少し長いバージョンは何が違うかというと、美輪明宏の要望を汲んだものとなっている。フランス用は、まだ美輪明宏という人物を知らない人向けの説明的なシーンが多い。それに対して、日本ではすでに誰もが知っている人。美輪明宏が使いたい映像を選び、歌うシーンや語る部分を多くしたものに仕上がっているようです。
映画の中で美輪明宏が、
「『フランス語であなたをil(彼)と呼ぶのかelle(彼女)と呼ぶのか、』と聞かれますが、『呼びたい人のお好きなように』と答えます。 ーーーー 日本のほうがよっぽど性差別がなくて、進んでいて、リベラルです」
と語ってるところがあるのですが、パスカル監督は”ミワさん”というと同時に”elle(彼女)”と呼んでいたのは、興味深いところだと思いました。

→次回に続きます。監督が日本映画との出会いやその魅力について語ってくれました。

 
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