2012年2月14日火曜日

イヴ・サン=ローランのオフィシャル伝記映画がパリで公開!イヴにそっくりな主役のピエール・ニレイの演技に大絶賛。

少し前に地下鉄の広告を見て気になっていたのですが、なかなか行く機会がなくて後回しにしてしまっていた、実話をもとにした、イヴ・サン=ローランの半生を描いた伝記映画「Yves Saint Laurent 」をやっとみてきました!!


この映画は、1957年、イヴ・サン=ローランがディオールのアトリエでモデリストとして働き始めるところから始まります。21歳でディオールの亡き後を継ぎ、その後公私のパートナーとなるピエール・ベルジェと出会いから1976年に発表したバレエ・リュスのコレクション発表まで。物語は、イヴ・サンローランとピエール・ベルジェの恋愛を中心をおき、その二人を取り巻く友人や家族など、モード界での華やかな活躍の裏で交差する人間関係を追っていくものでした。

そして、ピエール・ベルジェ、イヴ・サンローラン財団のオフィシャル映画として全面的な支援を得て、ファションショーのシーンでモデルさんたちが着ている衣装や、イヴの描いたファッションデザイン画もすべて、財団の保存しているオリジナルのものが使われているところは注目です!
(財団について、詳しくはこの記事に書いています→http://www.vogue.co.jp/blog/taco/archives/81
それに、ピエール・ベルジェが「イヴ・サンローラン本人かと思ってしまった」、と大絶賛しているように、イヴ・サンローラン役の、国立の劇団コメディー・フランセーズの俳優、ピエール・ニネイの演技には魅了されます!若い頃のイヴサンローランのイメージに全く違和感なくしっくりくるし、なによりピエール・ベルジェが言うほどなので、本当に似てるんだと思います。
[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=wiKzqEfDkoM]

イヴ・サンローランの映画といえば、「L'amour fou 」が日本では2011年に公開されたばかり。これは、イヴ・サンローランが亡くなったあと、ピエール・べルジェが、二人がともに過ごした部屋から、コレクションしていたアートを運びだし、グラン・パレで行われたオークションで売るまでをピエールの視点で淡々と進んでいくドキュメンタリー映画。
[youtube=http://www.youtube.com/watch?v=_fjwQb9ObIE]

当時撮影された若い頃のイヴや、コレクションのショーやバックステージの様子など貴重な映像や写真がいっぱい織り込まれ話題になってた作品。映像の中では一度も笑わず、常に寂しそうだったピエールの顔が焼き付いてしまう映画だったのを覚えています。
このドキュメンタリーの中で出てくる3−40代くらいのときに受けていたインタビュー映像で、20代前半を普通の若者のように学生時代を送らず、ディオールでデザイナーとしてすべての責任を負いその後もずっとモード界の最先端を走り続けている中で、
「若さを味わいたい、始めたのが早すぎたと思っても、残念ながら僕はもう若くない。
旅行に行ったり、何もしない時間がほしい。」
と答えてるシーンがあって、なぜか記憶に残っていたのですが、今回の映画で、モロッコへ友人たちを連れ立ってバカンスに出かけたり、お酒やドラッグにつぶされていくシーンへもつながっていく気がしました。シャイで繊細な天才イヴを護らないといけないと必死になるピエールの、ときに行き過ぎた空回りともいえる行動に胸を打たれます。
ドキュメンタリーでインタビューを受けていた、友人でモデルのLoulou de la Falaiseや Betty Catrouxも今回の映画に出てきて、そこで語られていたことが映画のシーンの一部で表現されていました。散らばっていた個々の重要なエピソードが一つの流れに整理されていくので、両方観るとより面白さが増すと思いました。ピエール・ベルジェが8年間パトロンとして面倒をみていた、世界的なアーティストのベルナール・ビュフェによる、イヴ・サンローランの肖像画はとても有名ですが、その描かれたいきさつが、イヴとピエールの仲を深めることになっていたとは思いもしなくて驚きました。
日本での公開はまだ発表されてないのですが、それまでにせっかくなので、ドキュメンタリーのほうの「L'amour fou 」をまだ観てない人たちは予習しておくのもいいかもしれません!!

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