この前の週末に遊びに行ったロンドンの続きです。大学の先輩に連れて行ってもらった、バービカン・センターで、ロンドンで初めてとなるジャン=ポール・ゴルチエの大回顧展がやってました。バービカン・センターというのは、第二次世界大戦で焼け野原となった一帯を戦後復興計画の一環として、1982年にエリザベス女王の名の下にオープンしたロンドン最大の芸術と住居の巨大な複合施設。劇場、映画館、ギャラリー、カフェやレストランまであり、住居施設には約4000人が暮らしています。ロンドンの人たちにすごく人気な分譲住宅みたいで、全然空きがない状態なんだそうです。そんな場所にある、ギャラリーで行われていた、ゴルチエの展示です。
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
70年代の初めてのファッションショーで、「ファッションの異端児」と世界中のメディアから騒がれてから、モード界の重鎮、そして最も偉大なファッションデザイナーの一人と数えられるまでになった現在まで。ゴルチエの歩んできたファッションの世界のほぼすべてを網羅し、パリコレでもコラボしているヘアスタイリストのオディール・ギルバートによる幻想的なヘアスタイルの165体ものマネキンが登場しているとっても贅沢な展示でした!
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
上の写真のようなファッションショーを模した、回転寿司みたいにぐるぐるまわってくる装置がありました。こういう完璧じゃない手作り感を残してるところにも、なんかユーモアがあり、バービカンセンターの90年代の雰囲気と相まって、いい空間を作り上げてました。
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
ロンドンにすごく思い入れがあり、パリ以外ならロンドンに住みたいと思っているくらいにロンドンで展覧会をするのをとっても楽しみにしていたゴルチエらしく、パンク!ロンドン!を全面に押し出した作品が並んでました。そしてマネキンの何体かには、顔に映像が映し出され、ものすごくリアルに話をしている姿が気味が悪くて、そこがまたよかったです。
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
40年にわたって、映画、音楽、絵画、様々な分野の伝説的なアーティストたちとコラボレーションを遂げてきたゴルチエ。1990年のマドンナのワールドツアーで来た衣裳や、カイリー・ミノーグのステージ衣裳、『キカ』、『私が、生きる肌』などのペドロ・アルモドバル監督映画の衣裳などなど、アイコニック的なピースも存分に取り上げられてました。それから、私が一番気になったのは、89年に出した、ゴルチエのインタビューの録音を曲に編集したアルバム、『 ‘Aow Tou Dou Zat’(How To Do That)』のフランス人映像作家ジャン・ バプティスト・モンディーノが手がけたミュージッククリップでした!
また、マネキンの周りを覆う壁に掛けられた、フォトグラファーの、デビット・ラシャペル、ピーター・リンドバーグ、ピエール・エ・ジル、ハーブ・リッツ、シンディー・シャーマンらによるビジュアルイメージは必見です。
Barbican Art Gallery, © Matthew Lloyd-Getty
お針子さんだった祖母の影響でファッションの道に進んだゴルチエ。彼女が普段から身につけていたコルセットに子どもの頃から興味を抱き、20年後にはコルセットのドレスを作るようになります。ゴルチェの子どもの頃の大切にしてきたぬいぐるみや思い出の品々も展示されたのは、とても素敵でした。
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この展示は、2011年にモントリオールで始まり、ニューヨーク、マドリード、ストックホルムを旅し、ロンドンのバービカンセンターにやってきました。なんと来年の春にはパリに来る予定なのだそうです。フライングして観てしまいましたが、パリの展示も楽しみに待っていようと思います!!
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