この前記事を書いた、メッセージを伝えるための映画のセットみたいな心にぐっとくるショーを見せてくれたUmit Benan とは対照的で、ショーではなく、服をみせるプレゼンテーションをしていたのが、Sacai。
モデルさんたちはみんな、床に置いてある鏡の上に立ち、壁に取り付けられた鏡に向かって、まるで意識のないようなショップのマネキンのように、すっくりと立って鏡を見つめていました。
今回のコレクションのコンセプトは、服を裏返して再構築。これだけ言うと、よくあるテーマな気がしてしまうけど、もちろんそこには、様々な素材のテキスタイルの組み合わせに、sacaiならではの巧妙なバランス感覚がふんだんに盛り込まれて、見れば見るほど、メンズ服だけどこれほしい!って思ってしまうものばかり。保温性のためのダウンのライナーが表に出てきたから、異素材のコントラストが面白い。
チェックの表地と見返しが素材が違ってポケットになっていたり、もうぱっと見だけじゃ、裏返しになってるって分からないくらい、新しいものになってる。
これは、本来ならついてる裏地の部分がなくなって、見返しだけが残ってる。
これは見慣れたコートの裏の作りをしてるけど、これだけ様々なアウターに囲まれると不思議に裏側という概念が薄れてきて、デザインされたコートに見えてくる。
ジャケットには、ダウンやファーのライナーがついてる。それに、バンズとコラボのもこもこファーの靴もかなりかわいい。
インディアン柄のブランケットと、ノルディックなニット。
ショー形式では、目の前をさーっと通りすぎて行ってしまうから、気を抜いてると見逃してしまい細部まで見ることができないし、わるく言えば、その会場の雰囲 気を味わっただけで(その豪華絢爛さを表現することだけが目的となってる場合もあってそれだけで)終わりになってしまうこともよくあると思います。そうではなくて、頭から靴の先端まで、正面から後ろ姿まで全方向からじっくりと見られることを意識した発表形式。それだけじゃなくて、鏡を前と下から使うことで、 ウェブサイトではほとんど正面のみしか掲載されないので、違った視点で服を見せる方法も面白い。
うっすらと漂い消えてしまうぼんやりとした雰囲気ではなく、会場にデザイナーの不在にも関わらず、”服”を脳裏に焼き付けしっかりとsacaiを印象づける方法で、逆にとても強いプレゼンテーションでした。
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