最近、特に4、5月の私のパリでの生活といえば、ストレスで買物症候群になった人みたいに、ダンスや舞踏、演劇を週に1,2公演というハイペースで観ています。全く知らない人たちでも手当たり次第に探してたりするので、全然面白くない、興味ないのにも出会ってしまうことも。でも、そのほとんどが10€-20€程度なので、つまらないものを観るというのも経験なので、よしとして、今回はハズレだったな、とかって、生意気にも評して次回に期待してみたり。貧乏アート好きがこんな風に一喜一憂して楽しめるのも、フランスの素敵なところかなと思ってます。
席の質よりもたくさん観たいので、かなり前に15€という安い席を取ったのですが、そのこともすっかり忘れかけていた先週、オペラ座でのダンスの公演を観に行ってきました!
10-20分の短い演目の、それぞれ振付家も違う4部構成だったのですが、最後の、Sidi Larbi Cherkaouiの振り付けによる、「Borélo」 がとてもよかった!!ダンサーたちが舞台に現れてからすぐ、会場全体も一瞬で惹き込まれてしまっていたし、劇場の脇にある個室になってる席の一番後ろだったので私も思わず立ち上がって身を乗り出して観ていました。それに加えて、当日もらったリーフレットで初めて知ったのですが、衣裳を担当してるのが、なんと、ジバンシィのクリエイティブ・ディレクター、リカルド・ティッシ!観に行ったその日、VOGUEのサイトでも、記事が載っていました。それに、舞台美術を担当したのが、ユーゴスラビア出身のパフォーマンスアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチ。
なんとも豪華な組み合わせ!!
なんとも豪華な組み合わせ!!
Sidi Larbi と、マリーナの作品に関するインタビューが見れます。
ボリュームのある真っ黒のマントに身を包んだダンサーたちが、足踏みして登場。
有名な何度も聞いたことある、モーリス・ラヴェル作曲のバレエ音楽ボレロ。
舞台には、水滴が落ちて広がる、大きさの違う波紋のような渦が映し出されて、薄っすらと透けてる水面のよう。ダンサーたちは、それにつられるように、ぐるぐるまわりながら、気づかないうちに次々とマントを脱いでしまってた。そして、舞台の奥には、舞台全体を覆ってしまうくらいの大きさの鏡が斜めに設置され、そこにはダンサーたちと波紋が反射して映るから、限りなく向こうまで続くような、深くてブラックホールのような空間が広がってる。
ダンサーたちは、マントを脱ぐと、ほとんど肌が透ける素材に、骨格の模様が刺繍されているぴったりとした衣裳に、同じ素材の十分に裾に広がっていて、しかも薄くてほとんど見えないくらいのスカートを纏っていました。背景が暗いので、カメラのシャッターを長押ししたときのように、スカートによって足の動きの軌跡が目に見えるから、それがすごく面白い!!
そうするとまたいつの間にか、スカートも取り外してて、完全なスケルトンに。
直線の行き来の動きはほとんどなく、くるくる小さな円を描きながら、全体でも大きな渦を巻き、鏡に映る姿も合わさって、柄が少しずつ変化していく万華鏡のようでした。
オペラ座という、一歩入れば日常とは区切られた異空間で、この繊細で優雅な衣装、そしてオペラ座のダンサーたちの技術の高さ、すべてが完璧で、たった20分という短い時間だったのに、ここ最近溜め込んでた鬱憤も吹き飛んでしまうくらいに、すっかり魅了されてしまいました!
もう、Boréloの文字を見るだけで、頭の中で音楽が流れ、踊るダンサーたちが巡っていて、まだ数日は続きそうー
かつて、恵比寿の東京都写真美術館の2005年の企画展「ローザスとアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの25年」でコンテンポラリーダンスに初めて出会い、ローザスとアンヌに衝撃を受けてから、ダンスや舞踏へ興味がわいてきました。それ以来ずっと一番好きな振付家はアンヌだったのに、その座をいつか脅かすかもしれない。そんなドキドキさせられた、まだ37歳、若手のSidi Larbi。帰る道すがら、家に帰ってからも、ずっと反芻してたし、気になってて調べてみたら、なんとアンヌが創ったダンスの学校、P.A.R.T.S.で4年間学んでいて、それもアンヌと同じベルギー人でした。私が好きになるのも納得。今後の活躍にかなり期待です!!
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